第17話

第17話
1,893
2021/01/09 13:53


ダブルデートは温室プールに行くことに決まった
ちなみに水着は姐さんに選んでもらった


あなた
水着よし、持ち物よし、肌のケアよし
リズ
リズ
随分と気合いが入っているな

前日の夜に自分の部屋で荷物の確認をする。
リズはというと私のベットで横になりながら
こちらを覗いている
あなた
当たり前だよ!ダブルデートなんて
初めてだし

それになによりも…………カリム様の水着姿〜!!
絶対にかっこいいよ、だってお腹割れてるんだもん
あなた
楽しみだなぁ〜
リズ
リズ
本当に……だらし………ない……
うとうとしながらうっとりとした声で
そういう彼女の方を見るとスースーと
寝息をたてて私の、わ・た・し・の
ベットで寝ていた


どうしよう……一緒に寝る?
いや、だめだカリムにばれたら終わりだ




カリムは私が自分以外の人と寝たら
すごく怒る、たとえ女でも、それがリズでも



この間、私とリズが一緒に寝ていたら
次の日カリムがとんでもないぐらいに
キレていた、拗ねるなんてレベルでは
なく、ブッチギレていたのだ
↑ラギーくん推しの方すみません((殴
あなた
ん〜
また、自分以外の人と寝た事にキレられて
キスマだらけにされたら……………
確実に水着が着れなくなる、どうしよう
あなた
あ〜!ジャミル氏がいるじゃない
ジャミルの部屋へ向かいまた
二人で私の部屋へと戻ると
ジャミル
ジャミル
全くこいつは………主人の
部屋で寝るなんて
リズ
リズ
ん……
ジャミルはぶつぶつ言いつつもリズの事を
軽々とお姫様抱っこする、


わぁ〜本物のお姫様と王子様みたい


あなた
うちのが迷惑かけてごめんね
ジャミル
ジャミル
…………別にお前に
謝られる筋合いなどない
え?まさか「うちの」っていう
言葉に反応しちゃった感じっすか?
ふふ、女相手に嫉妬てカリムと一緒じゃない


あなた
ジャミルって独占欲強いんだね笑
ジャミル
ジャミル
否定はしないが……カリムよりマシだ
あなた
そうかな〜?一緒だと思うよ笑
ジャミル
ジャミル
あんなヤンデレと一緒にするな
あなた
え?
ジャミル
ジャミル
なんでもない
あなた
う、うん?
ジャミル
ジャミル
うちのがすまなかったな

あ〜おかえし?子供ですな〜笑
あなた
あ、明日水着なんだから
跡つけちゃだめだからね〜
ジャミル
ジャミル
うるさい!
ジャミルの方がうるさいよ〜だ






















寝よう


──────────────────────
カリム
カリム
か、か、可愛いな…………
え!?あのカリムがこんなに動揺する事ある!?
次の日、4人で温室プールに向かい
水着に着替えると、思ったより男性陣の
受けがいいことにびっくりしている
ジャミル
ジャミル
……………
カリムはずっと見つめてくるし
ジャミルなんて頭を抱えしゃがみこんでいる
リズ
リズ
なんだ、照れているのか?
リズ
リズ
今更なにを……何度も裸はみたろうに
ジャミル
ジャミル
公衆の面前で………そのような、
かっ格好破廉恥だぞ
そういいながらジャミルとカリムはそれぞれ
自分のパーカーをリズと私に着せる
あなた
ありがとう……カリム
カリム
カリム
あぁ、俺から離れんなよ!
うっ、眩しすぎて直視できない………
お願いだからパーカー脱がないで!
美しすぎて命が何個あっても足りないから!
リズ
リズ
お前、そんなにいい体してたか?
隣をチラッと見ればリズがジャミルのお腹を触っているリズの手を掴み自分の方へと引き寄せ
ジャミル
ジャミル
こんな所で煽ってんのか?
と、リズの耳元で言うもんだから
リズと一緒に私まで赤くなってしまった


リズにしか聞こえないように言ったっぽいけど
全部聞こえてるっす、ジャミルパイセン

















フロイド
フロイド
うわぁ〜可愛いねぇ〜リア〜
ジェイド
ジェイド
おやおや
大変、可愛らしいですね
サラ
サラ
可愛らしいって私の事ですか!?
ジェイド
ジェイド
えぇもちろん
リア
リア
はぁ、どうしてフロイドまでいるんですか?
フロイド
フロイド
え〜だって、他の雄どもに
リアの水着姿見せるなんて、
ぜってぇやだしぃ〜
リア
リア
意味がわかりませんね
あなた
リ、リア?サラ?どうしてここに
サラ
サラ
え、皇女様!?どうしてこちらに
リズ
リズ
こちらのセリフだ
サラ
サラ
あ、私達はジェイドさんが
ここの無料券持ってるらしくて
一緒にこさせていただきました
((((ジェイド……絶対確信犯……))))
あなた
あぁ、貴方がサラの好きな人
サラ
サラ
こちら、私の未来の旦那様
ジェイド・リーチさんです
ジェイド
ジェイド
こんにちは、一生独身の
ジェイド・リーチです。
貴女の事はお伺いしておりますよ
どうもサラのご主人だとか……
あなた
まぁ一応
フロイド
フロイド
リアの将来の夫フロイドで〜す
あんたリアの大事な人なんでしょ?
じゃあ仲良くしようね〜
リア
リア
フロイド、皇女様には敬語を使ってください。そもそも貴方は私の夫ではありません
フロイド
フロイド
まだ言ってんの〜?
頑固だねぇ〜リアも
リア
リア
はぁ(ため息)
ジェイド
ジェイド
そろそろ行きましょう
時間も押しています
サラ
サラ
皇女様!お楽しみください!
リア
リア
もし、絡んでくるゴミクズ共が
いたら直ちに飛んでいきますので
あなた
う、うん……楽しんでね


そしてその4人は嵐のように去っていった



リズ
リズ
なんとまぁ…随分と濃い双子だったな
カリム
カリム
フロイドの好きな奴って
リアだったんだな!
ジャミル
ジャミル
完全に脈ナシだったが……大丈夫なのか?


『時間も押していますし』ジェイドさんの
その言葉を思い出し時計をチラッと見ると



あなた
って!?もう時間ないよ!
只今の時刻3時20分、ここの閉店時刻は4時だ
つまり、あと約1時間しかないのだ








それから40分ほどアトラクションを周るが
余りにも人気すぎて2つのアトラクション
にしか乗れなかった
ジャミル
ジャミル
そろそろ、帰るぞ
カリム
カリム
今度からは貸切にするか
それがいいよ……本当に










寮に帰りそのまま食堂で食事をした時だった
事件がおこったのは
リズ
リズ
なんだ?随分と騒がしいな
ジャミル
ジャミル
あぁ何かあったのか?



さっきからずっと食堂中の視線が私たちに
集まっているような………
カリム
カリム
なぁ、何かあったのか?
カリムは安定のKYさで近くにいる人に声をかける
モブ
モブ
昨日の夜、レイラさんがジャミルの奴の部屋に行ったんだと、
モブ
モブ
昨日の深夜、ジャミルさんの部屋に1人で入っていくレイラさんを見た奴が数人いるんだ
モブ
モブ
って………りょ、寮長!?
モブ
モブ
お前、まずいだろ謝っとけ
モブ
モブ
す、すみません寮長!ただの噂で


まずい、なんでそんな噂が……… 昨日のだよね?
と、とりあえず誤解をとかなきゃ
カリムに誤解を解こうと口を開く
すると突如舌が入ってきた


突然のことすぎて分からなかったが
私はカリムにキスされていた、それも深い
私の頭を両手できちんとホールドし食堂の
皆がガン見しているど真ん中で深いキスを
繰り返す



いつ終わるのこれ……恥ずかしすぎる!無理!



深いキスは終え安堵をしていたのもつかの間
カリムは私の事を横抱きにして食堂を去った
そのまま、カリムの部屋に連れていかれベット
におろし私を押し倒す。私の両手を片手で掴む
カリム
カリム
言いたいことはあるか
この口調……完全に怒っている時の喋り方だ


声も顔も口調も
私の手を押さえつけているこの手の力も
カリムは今怒っている、それもものすごく
あなた
ちがう………カリム……ちがうの
カリム
カリム
………………
あなた
確かにジャミルの部屋には行った、
昨日の夜に1人で
私のその言葉に私の手を
抑えるカリムの手の力が強くなる
あなた
でも、それは私のベットで寝ちゃった
リズを運んでもらうために呼びに行っ
ただけで、カリムが怒るような事は何
もしてないよ………
カリム
カリム
……………
カリム
カリム
お前は、俺がジャミルとあなたが
シたから怒ってると思っているのか?
あなた
コクッ
カリム
カリム
違うな、お前とジャミルがシて
いない事ぐら分かっている
カリム
カリム
俺の優秀な従者だ、主人の女に
手をだすようなやつじゃない
あなた
じゃあなんでっ


そんなに怒っているの
そんなに怖い顔しているの




カリム
カリム
分からないか?
あなた
コクッ
カリム
カリム
俺は、お前が
他の男と、夜、二人で、
会っていた事に怒っているんだ

それだけのことで………?
嘘でしょ、私が知ってるカリムって能天気
で馬鹿で考え無しの子だったよね?なのに
こんなに独占欲強かったの!?



いや、元々強いことは知っていたんだけど
こんなに強いなんて事は初めて知った








あなた
カリ…………ムッ
あなた
怒って……る?
カリム
カリム
あぁすごく
あなた
ごめんなさい
カリム
カリム
…………………
謝っても彼は未だに私の事を無表情で見つめる
初めて向けられたカリムからの冷たい視線に
我慢していたものが込み上げてきた、視界が
ぼやけ、頬に涙が伝る


泣いていると気づくのに時間はかからなかった
あなた
ごめっ………なさっ
カリム
カリム
な、泣いているのか!?
私の涙を見てなにを驚いたのかカリムは
手の力を緩めいつものカリムに戻った



安心と恐怖で涙が止まらない
あなた
クズッごめッ……なさッ……い
カリム
カリム
謝るな俺が悪かった。もう怒って
ないから頼むから…泣き止んでくれっ
涙が止まらない私にカリムはそっと抱きしめてくれた、私が泣いている時はもちろん泣き止んだ後もずっと、カリムは私に謝ってくれた






──────────────────────


sideジャミル




俺の主人は危険だ



モブ
モブ
昨日の夜、ジャミルの部屋に1人で入っていくレイラさんを見た奴がいるんだ
その言葉でカリムはすぐさま、皆が見ている前で
あなたに深く長いキスをした………俺を睨みながら
カリムに睨まれたのは初めてだったし
カリムを怖いと思ったのも初めてだった



あいつは危険だ、ものすごく………
普段、能天気であまり欲がない奴だが
その分独占欲は人一倍強い





あいつはあなたが笑顔に
なるのならなんだってする



それ故に彼女を傷つける者は
絶対に許さない




彼女が少しでも泣こうものなら
その原因となるものをこの世から
抹消するだろう。



現にカルマという男はもうこの世にいない




彼女の涙を見ただけで怒り狂い我を忘れる
ような奴だ、仮に彼女が一滴でも血を流そう
ものならば、少しでも彼女の体に傷をつける
ものならば……………考えたくもない







カリムの彼女への愛は日に日に重くなっている






あなたは分かっていない。
自分が他の男と話している時にカリムがずっと
相手の男を睨んでいることに



今日だって
彼女とリーチ兄弟が話している時、カリムは
彼らを睨み倒していた最初は面白がっていた
あの二人も怖気付きすぐに去っていった


あの兄弟が怯えるなんて余程のものだろう


















独占欲なんて可愛いものじゃないあれは危険だ


























彼女に初めて同情した

































世界で一番美しい毒に





















捕まったのだから


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