あの日。
雨が降っていたあの日。
蓮 「豆、好きだ。」
蓮くんを拒否してしまったあの日。
蓮くんに抱かれたあの日。
なぜ忘れていたか。それすらも忘れてしまった。
蓮 「豆のことは諦めるから、最後に1回抱かせて欲しい。」
そう懇願されて、蓮くんに身を任せてしまった。
蓮くんの優しすぎる行為。
行為の時だけ、「一成」って呼ぶところ。
全てが優しすぎて悲しくなる。
でも、次の日には全て忘れていた。
そして時は流れ、
大好きな翔也くんと付き合っている。
でも何故か、それを蓮くんだけにはバレたくなかった。
その理由がハッキリわかった。
蓮くんの行為が忘れられないんだ。
蓮 「一成」
忘れていても、忘れていなかった。
あの優しい声。
翔 「全部思い出したみたいだね、」
「うん。」
翔 「僕のこと嫌いになっちゃった?」
「そんなことないです。翔也くんのことは大好きなままですよ。」
翔 「そっか。」
「なんで忘れてたんだろう。」
翔 「豆は蓮くんとのことがあったから蓮くんに言えなかったんだね。」
「はい。」
「なんで思い出させたんですか、翔也くん。」
翔 「えっとね、それはね。」
翔 「蓮くんに頼まれたからかな。」
「どういうこと??」
翔 「蓮くん、まだ豆のこと好きだったんだって。あのひのことがわすれられないって。」
翔 「だから、豆が蓮くんの事を欲しがってる声がもう1回聞きたかったんだって。それで諦めるって。」
翔 「蓮くんから全部聞いた。だから、最後に1回だけ、蓮くんがちゃんと諦めきれるように。」
翔 「逆に諦め切れないんじゃないかって思ったんだけど、ケジメつけるって、蓮くんが。」
「ってことは、翔也くん、演技してたの?」
翔 「ごめんね豆笑」
「しかも、蓮くんに声聞かれたってこと?!」
翔 「まあそりゃ?」
「恥ずかしいですそんなの、」
翔 「でもさぁ豆、」
「なんですか?」
翔 「昨日みたいにさ、僕の名前も呼んでよ、エロい声で」
「嫌です」
次の日____
蓮 「おはよ、豆。」
「れ、れんくん!お、お、おはようございます!」
蓮 「そんなに固くなんなくても笑」
「あはは笑」
蓮 「ごめんね、豆。」
「いえ、こっちこそ。」
蓮 「それにしても翔也、エグかったなあ」
「そ、そんな、恥ずかしいですって」
蓮 「豆、大事にしてもらうんだぞ」
「蓮くん…」
蓮 「俺は大丈夫やけん、あとは翔也に任せたから」
蓮 「でも、翔也からなんかされたら相談してな」
「ありがとうございます!」
ニコッと笑う蓮くん。
良かった。全てが丸く納まった。
また1から、翔也くんと2人で。
蓮 「大好きだよ、豆。」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。