宿舎についてすぐに、ダンスのレッスンだった。
韓国の先生達はみんな凄くて、圧倒される。
自分のダンスがまだまだだって言うことを実感させられる。
世界に羽ばたくアーティストになれるようにもっともっと頑張らなきゃ。
練習に熱が入る。
練習は16時まで及び、体力ももう限界。
正直、部屋に帰ってもう寝たかった。
でも…。
翔 「今からサムギョプサル食べに行くけど、豆も行く?」
なんて言うから…。断れないよね、好きな人の誘いなんて。
だから急遽、宿舎の近くのサムギョプサル屋さん へ。
お腹も減っていたし、丁度いいよね。
メンバーは、僕と翔也くん、そして汐恩くんだった。
汐 「삼겹살 3 인분. 그리고 우롱 차 세.」
汐恩くんが慣れた韓国語で店員さんと会話をする。
翔 「わぁ、汐恩さすがだわ」
汐 「知ってるて笑」
盛り上がる2人。
僕も韓国語を流暢に話せたら、さすが〜って言って貰えるかな。
汐恩くんは僕の1番の強敵。
この二人はJAMの間で「つるきま」っていうケミ名で親しまれている。
プライベートでもすごい仲がいい二人。
歳が近いから話が合うのかな。
それに比べて、僕は末っ子だから。
翔也くんって、僕といて楽しいのかな。
考えすぎかな。
そうしている間に、料理が到着。
汐 「それじゃあ、韓国合宿頑張りましょう!乾杯!」
翔 豆 「かんぱーい!」
翔 「豆、僕焼いてあげるね」
ほら、また子供扱い。
「いいですよ!僕焼きます」
翔 「豆はいいの!火傷したら大変でしょ?」
汐 「豆、俺も焼いてあげる」
2人して。肉くらい1人で焼けるし!
「ありがとうございます…」
翔 「豆、いっぱい食べてね!僕奢るから」
「ありがと、翔也くん」
翔 「汐恩、トング取って」
汐 「ん」
二人を見ていると、安定してるなって思う。
気を使わない、安定感のある二人。
翔也くんには汐恩くんがお似合いかもしれない。
そう考える度、泣きそうになる。
汐 「豆?体調悪いの?」
翔 「それにしても食欲無いね、大丈夫?」
優しい言葉をかけられて、ますます泣きたくなる。
「なんか、体調悪くなっちゃいました笑」
咄嗟に出た嘘。
本当は3人で楽しく食べたいのに、
変な感情がそれを阻止する。
「先宿舎戻りますね」
汐 「え、豆食べないの?」
「なんか、吐き気がするんです」
また出た嘘。
翔 「そっか、ゆっくり休んで」
止めないんだね。そりゃそっか。
そのまま店を後にする。
帰り道は長く感じた。
宿舎はお店から3分くらい。
でもその時は10分くらいに感じた。
人と比べてしまう癖。
すぐに嫉妬してしまう性格。
全てに嫌気がさして、自己嫌悪に陥った。
もういっそ諦めてしまいたい。
でも翔也くんの笑顔が頭を過るとその気持ちは直ぐに無くなる。
それでも今は、翔也くんのことを想って、
1人で泣きたい気分だった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!