莉犬くん。
お誕生日おめでとうございます!
辛い時、悲しい時、助けてくれたのは莉犬くんです。これからも、ずっと応援させてください!
大好きです!
誕生日なんて、どうでもよかった。
だって、あんな親からこんな子供が生まれてきた日なんて、興味なんてないし、吐き気がする。
周りが
なんて
気持ちが悪い。
ただ、うるさいだけ。
そう、強がっていた。
だけど
本当は____________________。
家庭環境が最悪だった俺は、昔からトゲトゲしていた。
ただ、思ったことを口にしていた。
自慢して、何がいいのか分からなかった。
こんな事をしていたら、友達なんて居なくなった。
プラス、いじめが始まった。
へんな噂流されて、殴られ蹴られ。
典型的ないじめばっかだった。
ばかばかしい。
そんな言葉が一番似合う。
帰っても、俺はグチグチ言われ、
兄は愛でられる。
こんな親から産まれたなんて、認めたくもない。
ある日、いじめの主犯の子の誕生日だった。
そいつはみんなから祝われてた。
そいつも幸せそうな顔をしてて、
羨ましい。
と、不意に思った。
自分はそんな立場ではない。
分かっているはずなのに、
見苦しい妄想をただただ考えるだけだった。
またある日。
もう、消えようと思っていた。
そう。
今日に。
今日は最悪な日。
大っ嫌いな日。
5月24日。
おめでとうなんて。
言われたことなんかない。
最後に、言ってほしい。
ばかげた願い。
でも、後ろから、暖かい温もりを感じると、
あぁっ、言ってくれるのかなって
期待を抱いてしまう。
俺は、偽りだらけなのに。
みんなの思う「赤」じゃないのに。
なんで、そんなに優しいの。
あぁっ…みんなは、俺に欲しいことを言ってくれるの?
ずっと羨ましがった、あの言葉を。
そんなんだから、みんなを嫌いになれないし、
死ねない。
やめて欲しい。
これ以上、みんなを、好きにさせないで欲しい。
大っ嫌いな誕生日も、
みんなのおかげで、
少しは好きになれたかな。
みんな、ありがとう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!