紫くんでてきます。
苦手な方、不快に思う方はお戻りください。
俺は…どれだけ裏切られるのだろう。
小さい頃から、ずっと裏切られてきた俺は
大きくなるにつれ、
人を信じるということを出来なくなってしまった。
そう、俺のグループのリーダーは
炎上した。
もう、人を完全に信じられなくなっていた、高校。
部活だけが俺の生きがいだった。
好きな先輩が
ボカロ好きだったため、
一生懸命ネットの世界を学んだ。
そんな先輩には振られ、
だけど、「信頼してるよ」って
部長を任された。
だけど、俺の代の顧問は最悪。
顧問の好みの劇に。
辛くて、疲れて俺は
部活を辞めた。
それから
俺はずっとネットに住み着いていた。
本格的に始めようなんて考えて、
始めて、フォロワーが少しずつ増えて、
そんな時、初めて「さとみ」
に会った。
明るい青年だった。
何事にも前向きそうで、
だけど、1度
大きな挫折をして、
乗り越えた強くかっこいい人。
歳は離れてたけど、
当時の俺からして
少しでも心を開けたのが
「さとみ」
俺たちは驚く程に気があった。
料理の味やしたいことなど
俺にとって一緒に居て居心地が良かった。
次に出会ったのが「るぅと」くん。
身長がでかくて、めっちゃ細い。
ほんと男の子っぽくて、
なんだか少しずるいと思ってしまう。
いま、男として活動をできてる時点、
すごいことなのに。
こんな性格だから…
そして「るぅと」くんはかわいい。
俺の欲しいものばっかだ。
そして、次に出会ったのは、
そう。
「ななもり。」さん
はじめて俺が涙を人に見せたすごい人。
「ななもり。」さんはすとぷりに誘ってくれて、
夢を持たせてくれた、大好きな人。
初めて、心を開いた場所。
初めて、信頼した人。
いちばん
いちばん
過去にもないくらいに
この人に心を開くことができた。
裏切られることなんてない。
そんな淡い期待をしてしまったから。
俺は、生きてるのに向いてないと思う。
いじめられて、裏切られて、
死にたくなる。
家族の関係も最悪。
いつも独り。
そんな俺に光を与えてくれた。
すとぷりに入った「ころん」という人は、
「なーくん」のりすなーだった。
ずっと、信頼してきた人が、
こうなってしまったのは、
こころに、深く傷を作っただろう。
そして、すとぷりで「なーくん」の相方。
「ジェル」。
「なーくん」の事が大好きで、
信頼してて、
信用してて、
いつでも「なーくん」の隣にいる。
「ジェル」くんがいちばん辛いだろう。
そんなかんじで、この人達だけでなく
他の人もグループにいたんだけど
最終的にこのメンバーに安定した。
そんな時に。
突然、居なくなった、
俺たちの光。
突然の出来事に、
久しぶりに発作がでた。
あの嫌な感覚、
なんども味わったことのある
嫌いな感覚。
収まったと思ったら、
急な吐き気に襲われて、
トイレで戻した。
今日はなにも食べていなかったので
胃液しかなかった。
やっと落ち着いてきたと思い、
再度見直す。
気持ち悪かった。
意味が分からなかった。
あの、なんとも言えない感覚が、
もどってくるのが
嫌で仕方がなかった。
なんでか分からない涙がでてきて、
パニックだった。
寝たいのに、
なにも考えたくないのに、
脳内があの人で埋まる。
「なーくん」の笑顔、
「なーくん」の泣いた顔、
「なーくん」の本気の顔。
寝たい。
忘れたい。
これが夢だったんだって、
起きたら笑顔の君がいるって、
目を閉じても、
アイマスクをつけても、
なにしても、
だめだった。
そこで、ふと通知の溜まったLINEに気づく。
あ、
そうだ、
俺より辛い人は何人もいる。
俺がこんな弱ってたらダメじゃん。
って、思うと、
我慢しなきゃって思うから、
楽になる。
そして、緑のアイコンをタップする。
「ごめん、今見た」
と、一言。
みんなが荒れている。
なので、一回通話することになった。
きっと一人一人大変なんだ。
「ジェル」くんは相方が急にいなくなる。
「ころちゃん」は尊敬していた人が、最低なことをしていた。
「るぅと」くんはなんにも無い未来に未来を与えてくれた人が居なくなった。
「さとみ」くんはきっと、最年長だからって無理してるだろう。
こんなに冷静だから。
じゃあ、俺は?
少し助けて貰っただけ。
そう、体に覚え込ませる。
大丈夫。
俺は辛くない。
と、会話に入った。
最初に聞こえてきたのは
複数人のすすり声。
そうだよなぁ、なんて考えながら、
なんて薄っぺらい声をかける。
そうだ、と
STPRに連絡を入れる。
「いまほかのメンバーにメール送らないであげてください」
「要件は俺にお願いします。」
と。
そしたらすぐに返事が。
「了承しました。」
よかった、なんて思いつつ、会話に戻る。
なんて自分も出来てない事を他人にペラペラと言う。
明るく、優しく。
自分でもわかってた。
だから言われちゃうんだ。
本当でもない言葉をペラペラと発する。
そう、大丈夫。
なんだろ。
俺は自然なはずなのに。
なぜか涙が出そうになった。
いや、なぜかなんかじゃない。
気づいて欲しかったんだ。
心のどこかで。
でも、そんなワガママは俺に似合わないから。
ありがとう。さとみくん。
ごめんね。
ふと、携帯に視線が向く。
どのアプリをみても、俺の大切な人のことばかり。
また、発作が出そうになる。
メンバーにはトイレ行ってくるー、と一言。
ダッシュでトイレに向かった。
やっぱり吐いても何も出なくて、
水も飲む気になれなくて。
ただ、その場で絶望するだけだった。
苦しくて、辛くて、疲れて、喉が閉まってるような気がして息が出来ない。
戻らなきゃいけないのに。
心配させちゃダメなのに。
体がうごかない。
自分に鞭を打ち
重い重い体を無理やり起こす。
やっと立てたと思った矢先、
玄関にはかつて合鍵を渡していた君。
慌てて最高の笑顔を作る。
内心傷ついた
心に矢が刺さったような気がした。
でも嘘かと言われたら違って、
何も言い返せなかった。
一瞬にして心がじゎっと暖かくなった。
冷めていた心に染みて、涙がでてきた。
信頼してた人に裏切られて、不安の吐きどころがなくて
なにかに痛いくらい心臓を縛られて
ダメだって。
さとみくんも無理してるって。
こんな時まで……
ギュッ
ガチャ
なんて音がして玄関を見ると
メンバーのみんな。
こんな姿見られちゃいけないのに。
みんな辛いのに。
どうして?
どうして。
どう、してっ…
ギュッ
終わり雑
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。