〈亜嵐〉
また、始まる高校生活。
あなたちゃんが迎えに来てくれる。
【ピーンポーン】
え、早くない!?
俺まだ部屋着なんだけど…!
待て、あなたちゃん見られたら
まためんどくさくなる。
俺は階段を駆け下りて玄関を開ける。
俺はあなたちゃんの手を取り
自分の部屋へと連れていく。
【ガチャ!】
【バン!】
ふぅ…助かった…
ん…?
あ…!
困ったような顔をしていてかわいい。
あなたちゃんは俺の腹を見ている?
目線を辿ってみると
俺の部屋着を見ている。
急に笑ってどうした?
え?
何のことか全くわからない
急に真顔になった。
俺は浮かれていた。
時計を見るともう55分。
当然間に合わない。
俺が携帯をあなたちゃんの
目の前に出してそれをじっくり
見ている。
どんな返しがくるか
ドキドキしていた。
すると
まさか、許してくれるとは
思わなかった。
俺はズボンを脱ごうとしてしまった。
あなたちゃんは仕方なそうに
後ろを向いてくれた。
すぐ着替え終わった。
なんか、お互い制服だから
制服デートみたい…
嬉しいなぁ
ゆっくり階段を降りて
道に出る。
同じこと考えてた…!
こんな些細なことでも嬉しい。
決めた。
今日伝えよう────────。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。