〈亜嵐〉
今日はあなたちゃんが
委員会でいない。
二人で帰ることになっている。
なんか、隼が紙に書いている。
そう紙に書いてあったのは…
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あなたちゃんへ
委員会おつかれ!
俺たち先に帰ってるね
また、明日ね!
だいすきだよー♡♡♡
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廊下に出て
ちょっと落ち込んだ。
隼って意外と鈍感なんだな
隼ってやつは…
お前良い奴すぎだぞ…?
廊下に響いた。
なんて、舞い上がっちゃって。
これ、ほんとなのに。
ほんとに東京辞めるのか…?w
俺実は寂しくなると
ダメなタイプ。
隼とは結構長い時間いたから
ちょっと寂しい。
ちょっとしたを見て照れくさそうに
言う隼の姿を見てかっこよく見えた。
確かに。
このチャンスは二度とないかもしれない。
今思った。
あなたちゃんを幸せにできるのは
隼なんじゃないかって。
今までの経験は絶対狙った女の子は
全員彼女になっていた。
けど、あなたちゃんは違って
俺には好意を抱いてない。
隼に抱いている。
俺は隼に負けた。
良いライバルだった。
東京に行ったら隼の代わりに
あなたちゃんを精一杯守るよ
今嘘を付いた。
完璧俺はあなたちゃんに
好意を抱いていた。
今までに感じたことのない
新しい恋を感じることが出来たのだ。
今、すんごいいい事言った。
なぜそのタイミングで靴紐を結ぶ…
隼、お前はほんと良い奴だから
俺なんかより断然あなたちゃんを
守れると思うよ。
だから、がんばれ。
また3人で笑い合おう────。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!