〈亜嵐〉
帰りが来てあなたちゃんと帰る。
なに、掃除してるの?
可愛いなぁ…
絶対いいお嫁さんになるよね
そう言いながらちりとりに
ゴミを入れて捨てている。
手をはらいながら駆け寄ってきた。
俺達は廊下に出た。
俺なんて事言ったんだろ。
あなたちゃん…その笑顔反則だよ…
目もそんなに輝かせてさ。
あなたちゃんは小さくガッツポーズ。
些細な行動も可愛い。
あなたちゃんはほんとに嬉しいのか
さっきより、笑顔が増して可愛い。
それから帰りに今までの
思い出をふたりで語った。
懐かしい時なのにまるで
昨日のように感じる。
なに、照れてんの…?
かんわいすぎでしょ。
覗き込んでみると顔が真っ赤。
ある!ない!
のくだらない喧嘩をして
あなたちゃんの家に付いた。
あなたちゃんは玄関の奥へと
入っていった。
あの嬉しそうな顔忘れられないな…
隼はたくさん努力したんだな…
俺みたいな中身空っぽじゃ
女の子の気持ちなんかわからない。
でも、なんかあなたちゃんの気持ちは
分かっちゃうんだな
隼が "だいすき" ってこと──────。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!