第38話

No.38
1,294
2018/02/11 09:25
〈あなた〉
もう、帰る時。
あなた

隼、風邪ひいちゃダメだよ!?
栄養とって、ちゃんと
布団かぶって寝るんだよ!?
それと…

隼
わかった、わかった!
そーするね
亜嵐
亜嵐
あなたちゃんお節介な
オバチャンみたいだよ?
あなた

え!嘘!

そんなふうに見えてたかな…


恥ずかしいな。
亜嵐
亜嵐
じゃあ、行こっか
あなた

うん

隼
じゃあね!
いつもと変わらず笑顔で送り出してくれた。
亜嵐くんとあなたで電車に乗る。
満員の電車の中は暑い。
あなたと亜嵐くんはドア側に


押され
あなた

わっ…!

亜嵐
亜嵐
おっ…!
亜嵐の顔が真ん前に。


近い。
亜嵐
亜嵐
ごめん…/////
今だけ…
あなた

うん…/////

亜嵐くんの顔こんなに間近で


見たのは初めて。
鼻が高くていつ見ても整っている
この状況が10分間も続いた。
やっと駅について


人が減っていく。


亜嵐
亜嵐
さっきはごめんな…/////
押されちゃってさ
頭をかく。
あなた

亜嵐くんが謝る事じゃ
ないでしょ!?
押した人が悪いんだから!

亜嵐
亜嵐
ふふ、そうだな…
駅から出たら外には


しんしんと積もる雪。
あなた

わぁ!すごい!
初雪!?

亜嵐
亜嵐
おぉ、久しぶりに
ゆき見たぞー!
あなたは雪がだいすき。
走って雪に触りに行く。
あなた

うわぁぁ!
サラサラだ!

亜嵐
亜嵐
ちょっと、あなたちゃん
人の目考えなよww
周りを見ると通り過ぎる人から


痛い視線。
あなた

あ…やば…

すぐ立ち上がって何も無かったように


平常心を持った。
亜嵐
亜嵐
なんだそれww
と言って亜嵐くんが歩き出した。
あなた

なに!

亜嵐
亜嵐
いや別に〜
あなた

何よー
気になるじゃん

亜嵐
亜嵐
あなたちゃん夢中になると
周りが見えなくなるんだなって
あなた

どーゆうこと?

亜嵐
亜嵐
雪のこともそうだけど
隼のことも。
あなた

隼?

亜嵐
亜嵐
うん
あなたちゃん隼に夢中だろ?
あなた

え…?

あなた

何言ってんの?
もーやめてよ…

亜嵐
亜嵐
俺からしたらめちゃくちゃ
辛いけどなー
亜嵐
亜嵐
好きな子が違う子を
想ってるんだから…
そうだった…


絶対自分も亜嵐くんの立場だったら


絶対辛い。
あなた

なんか、ごめんね

亜嵐
亜嵐
全然!
好きなものは好きって
言った方がいいじゃん
あなた

そうだね…

一向にやまない雪とともに


二人は歩く。
亜嵐
亜嵐
あなたちゃん!
あなた

ん?

振り向くと夕日に照らされて


光る雪たち。
あなた

わぁ!すごい…

雪に見とれていると
【パシャリ…】
あなた

え?

亜嵐
亜嵐
いい笑顔だ
あなた

撮ったなー?

亜嵐
亜嵐
撮っちゃいけないのかー?
あなた

不細工だからー!

亜嵐
亜嵐
俺は…
あなた

ん?

亜嵐
亜嵐
この笑顔がだいすきだから。
この気持ちずっと
変わらないかも
しれないなー。
照れくさそうに言う亜嵐くんは


いつもはかっこいいのに


今はとても愛おしく見えた。
あなた

何それ
照れるじゃん/////

亜嵐
亜嵐
照れてるんだ〜!
かんわいー
あなた

もぉ!

あなた達は笑いあって


帰った。
あなた

亜嵐くん今日はありがとうね

亜嵐
亜嵐
おう
会いたくなったら
いつでも言ってな?
あなた

誰に?

亜嵐
亜嵐
おれ
あなた

なんで…!

亜嵐
亜嵐
なんてね、嘘だよ
隼に決まってんじゃん
一瞬ドキッとしてしまった。
あなた

ありがとう!
また月曜日ね

亜嵐
亜嵐
おう!
じゃーな








まさか、

後にあんな事が起こるなんて─────

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