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第1話

時は幕末
139
2018/11/08 11:13
時は幕末。

京の町で活躍していた新選組には、一人の「くノ一」の存在があった…。

一八六三年、近藤勇たち試衛館の人々が、江戸から京に向かう時のことである。
沖田
…??
沖田総司が首を傾げているのを見て、隣の山南敬助が問うた。
山南
どうしたのですか、総司
沖田
ほら、そこに女子が…
顎で、その女子の居場所を指す。
土方
ただの子供じゃねぇか。ほら、急ぐぞ
前から話を聞いていた土方歳三が、二人を急かした。
近藤
いや、歳さん。彼女、術が使える様子だぞ
土方の隣にいた近藤勇が、ニヤリと笑いながら言った。
山南
あの術、きっと伊賀流の忍者の者でしょう。火術を使うのは伊賀流の忍者のみです。
土方
そうは言ったって…連れて帰るのか?
土方が呆れながら聞くと、沖田は目をキラキラと輝かせた。
近藤
私は構わないが…
山南
わたしも構いません。興味が湧きました
土方
はぁ…全く、分かったよ
こうして、近藤の保護を受けた少女が、のちに新選組を支える「くノ一」となるのである。

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