その宿にいくには大体30分位歩かなければいけなかった。エドナを肩に乗せながら行くのは今までの疲れもあってちょっと大変だったが、なんとかつくことが来た。そのままチェックインして、今は部屋のなかにいる。
「ねぇ、エイカ。エドナ、大丈夫なのかな?」
「わからない。でもちょっと体調崩しただけだろうし…安静にしていれば大丈夫だとは思う。そういえばカイト、薬って持ってる?」
「村で作ったやつなら…」
とりあえず薬を飲ませて安静にさせないと…とカイトとそんな話をしていたら、シルフさんはこう言葉を紡いだ。
「えーっと、横からすみません。お二人方、ちょっとよろしいでしょうか?」
「なに?シルフさん」
「私、エドナさんがこんなに弱りきっている原因に心当たりがあるんです。もしよろしければ聞いていただけませんか?」
「なに!?もしわかるなら教えて」
「あ…えーっと…憶測でしかないのですが…大丈夫しょうか」
「憶測でも良いから、教えて」
分かりましたとシルフさんは一言いった。
「エイカさん、カイトさん、私が呼び出されたときにエドナさんにいった事を覚えていますか?」
呼び出されたときというと…エドナが呪われているっていう話?
「もしかして、呪いがなんとかって言う話?」
あらら、カイトに先越されちゃった。
「はい、そうです。その呪いに関係があるのかと思います。」
「詳しく説明してくれる?」
「はい、」
シルフさんの話はちょっと長かったので省略する。内容を要約したものはこうだ。
◎エドナには、呪いがかかっている。
◎エドナ自身、呪いについて気がついているかわからない。
◎誰かの怨念がたくさん入っている。
◎日に日に強くなっていっていて、今まで無症状だったのはたまたま。
◎今は第二段階位
◎最悪の場合死に至る。
結構ショッキングな内容である。私の旅の仲間がそんな事になっているなんて、つゆほど知らなかった。
「エイカさんは気がつかなくて仕方ないですよ…」
「ねぇ、エドナの呪いをとく方法ってあるの?」
「私にはわかりません…」
「そっか…」
シルフさんは知らないらしい…
「ねぇ、エイカ。そういえばアイシャさんに前もらった本ってまだ持ってる?」
「うん…まだ持ってるよ」
「もしかしたら、その本に内容がのっていたりしない?」
「ないはずだよ、だってこれはクエストについての本って言っていたじゃん。」
「すみません、エイカさん。その本今私に渡してもらえますか?」
「えーっと、ちょっとまってね」
荷物を漁ると、今にも崩れそうな本があった。それをそっとシルフさんに渡す。
「これって!!上位の魔道書じゃないですか!?どうしてこんなものが…」
「まじか…藁にもすがる思いで適当にいっただけなのに…」
おいおい、カイトが驚いてどうするんだ?
「と、とりあえずこれに解呪魔法のっているかもしれません。探してみましょう。」
「そうだね!!」
こうして私たちはエドナの呪いを解くために本を解読するのであった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!