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第4話

一章 三節 ご先祖様の話


 「お母さん、ねえここって…」

お母さんにつれられて来たのは墓場であった。そのなかでも一番立派なお墓だ。こんなところに一体なにしに来たのであろうか?

「ここはね、私たちのご先祖様のお墓なの。旅の安全祈願をしていきなさい。」

「そうだったんだ…」

そういい、静かに手を合わせた。

(どうか、カイトと私の旅が安全で楽しいものになりますように)

数秒の沈黙が過ぎ去ったあとに、お母さんのため息が聞こえて、顔をあげた。

「はぁ…エイカって本当に観察能力がないのね…この先心配だわ。墓の文字を見てみなさい」

「え?」

お母さんにそういわれ、はっとなる。そう、そのお母さんの言うところにかいてあった文字には

『music countryの女王に捧げる』

とかいてあったのだ。つまり…ご先祖様はmusic countryの女王様!?

「いつか、このときが来るまで貴女に伝える気はなかった…ううん、貴女がこの旅に出たいって言うことはずっと前から神託で決まっていたの。」

神託…?決まっていた…?私の思い付きが…?

「どうせ、貴女のことだから何にも考えずに言ったのでしょう?本当に冒険者になったら楽しいんだろうなっていう。子供みたいな無邪気な考えで。」

う…核心をつかないで欲しいな。

「ただね、貴女のこの発言はさっき言った通り、歌に神様の導きであって、偶然ではない。いわばこの発言は必然的に決まっていたの。」

お母さん…?

「神託では、これから先貴女は沢山の困難に会うわ。でもね、それと同時に美しい風景や沢山の人に出会えるの。だから、ちょっと心配だけど楽しんできていらっしゃい。それが私の伝えるべきことよ」

「……わかったよ。旅の思い出話を楽しみに待っていてね。」

「困難を厭わずに楽しもうとする。それこそが私のむすめよ。エイカ、たまにお手紙を出してね」

「うん!」

そのお母さんの声には先ほどまであったちょっとした不安な声はなかった。そこにあったのは私に対する深い愛情を沢山感じられるほどの優しい声であった。私はそんなお母さんが大好きである。そう、再確認できたのであった。