第95話

三章 一節 なにもない日の朝と不吉なもの
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2020/11/29 16:59


 風の音で、目が覚めた。目をゆっくりと開けると、昨日ちゃんと閉めたはずの窓が飽きっぱなしで……どうしてだろう、と思いつつ私は大きく背伸びをした。いつも通りの、優しい朝。今日の冒険が始まる前の、ゆっくりとした時間。私の大好きなこの時間。

 しかし、今日はいつもと少しだけ違った気がした。何か、重くて苦しい何か不吉なものがさっきまでここにいたような……もっといえば、magic countryに入ったばかりの時に感じた“アレ”と同じようななにかを感じる。

 ベットから出て、エドナのいたはずのところに目を移した。そこに、エドナの姿はない。もしかして散歩に出てしまっているのだろうか? まあエドナならすぐに戻ってくるだろう、ということで私は開いていた窓をカイトが起きないように静かに閉めた。

 ふと、机の上をみてみると何か紙が置いてあるのが見えた。何だろう、と思いその紙をみてみると……

『please call me‼』

 と英語でかかれた文章を発見した。何で英語なの……そもそも誰、と思ってその紙をあった場所にもう一度置こうとしたら下の方に風と炎の紋様が見えた。

 これって確か……風の精霊さんと炎の精霊さんを型どっているものだった……はず。もしかして、風の精霊さんと炎の精霊さん……シルフさんとイフリートさんが呼んで、と言っているのだろうか?

 精霊さんは本当に特別な場合を除いて、契約主が召喚の魔法を使わない限りここにやって来ることはできない……いや、姿を見せることが出来ないと言った方が良いだろうか?

 ……とにかく、何か嫌な予感がするし精霊さんの召喚をやってみよう。ということで、私は二人の召喚の準備するのであった。本当に何があったんだろう。

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