結局宿屋に戻ったのは色々なお店を見て周ってへたへたになった後であった……。
「ただいま!! カイト」
「お帰り、早かったじゃん」
おかしいな……一時間くらいは余裕で外いたはずなのに。カイト、多分時計を見ないほどに作業に熱中していたんだろうな。カイトって集中すると周りを見なくなる癖もあるし。それか、一時間ってそんなに長い時間じゃない……?
私の感覚がおかしいのかな? ……まあいいや、とりあえず考えないでおこう。
「今日の夕飯は何にしたの?」
「えーっとね、」
そういって手元の袋をガサガサする。すると中からはロールパンと、木製の容器に入ったスープが二人分出てきた。
「これだよ」
「容器に入ったやつかったんだ……」
「だって仕方ないでしょ!? これとくに美味しそうだったんだもん」
「エイカといえばそれらしいけどさ……まあいいや、とりあえず覚めないうちに食べちゃおう」
「そうだね」
そういって、一度机の上を片付けるカイト。作業しているとき、カイトの机は絶望的に汚い。想像を絶するほど汚いんだけど……すぐにきれいにしちゃうんだよね。綺麗にできるのであれば最初から綺麗にしておけばいいのに……。
ちなみに、エドナのご飯は一応猫だから猫でも食べられるけど人間の食事に一番近いものとかを食べているよ。これが探すの大変なんだよね……。
机が綺麗になったみたいだ、本当に一瞬だよな……と関心しつつ私は机の上にそれらをおいて、すぐに椅子に座った。
「それじゃ、食べよ!!」
「そうだね……」
という事で、ようやく夕飯が食べられる!! なにもしていないけれど疲れたな……。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。