第67話

これまでの童話、神話、神託まとめ
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2020/10/19 16:59
 このチャプターでは、これより先で大切となってくる童話、神話、神託、を全てまとめさせていただきます。少し、長くなってしまいますが全く同じものを本文中で扱っておりますので読まなくても大丈夫だよ、という方は飛ばして頂いても構いません。


music forestの物語

 遠い昔、この世界は二つに別れていました。一つは、錬金術が発達している『magic Country』。もう一つは、歌の魔法が溢れる『music Country』という国でした。

 どちらも、良い国でしたが二つの国の人達はそれぞれ違う考えを持っていました。

 いつだったでしょうか、そのちょっとの違いが原因ですれ違いがおき、いつしかそれは戦争へと発展してしまったのです。

『music country』は自分達の歌の力を信じて、『magic country』は化学の発展がもたらす幸せを疑わずに。二つの国の対立は深まるばかりでした。

 ある日、世界に二人の特別な子供が生まれました。その子供達はいつも笑顔を絶やさずに、二つの国の和平を誰よりも強く望んでいました。

一人は、『magic country』の王族として、もう一人は『music country』の王族として産まれました。どちらも聡明で、賢い方だったと伝えられています。

 二人は今までの王とは違い、戦争でぶつかり合ってわかり会うのではなく互いに歩み寄ってわかり会う道を探しました。

 そして時は過ぎ十四年後、二人が親から王位を受け継ぎました。そこから幾度にもわたる交渉の末にとうとう和平を結べることとなったのです。

 『music country』は二つの国に千年の存続を、『music country』は二つの国に千年の幸せを約束し、二つの国は和平したのでした。

 このことが、お互いの国の王族から発表されると国の民は全員安堵し、喜びました。皆、戦時中に自分の命、大切な人の命が危険にさらわれるのを怖がっていたからです。

 どちらの国にも、今までなかった笑顔の花が咲き、幸せ一杯の雰囲気になりました。

 ですが、そんな幸せは長く続きません。『magic country』の大臣が、『music country』の女王様にとある嘘をついたのです。

 その内容は、『magic country』の王様が『music country』を乗っ取ろうとするという内容でした。

 これを聞き怒り、疑い、悲しみ、様々な感情が女王様を取り巻きました。

 そして、女王様は祖国の誇りのために、『magic country』に宣戦布告をしました。

 ひとつになった国は、こうして二つになってしまったのです。

 また時は過ぎ、女王と王様が亡くなったころ、世界は度重なる戦争により荒廃してしまいました。

 一回もとに戻ったはずの草原はみるみるうち枯れはてて、この世界に混沌が再び訪れたのです。そして、『music country』と『magic country』は互いになくなり、それにより不本意ながら終戦致しました。

 一連の事件から千年後の今、私たちの目の前に広がっているこの森は『music forest』。かつて『music country』が広がっていた場所です。

 この話は今まさに千年の時を経て始まろうとしている『music forest』の物語です。是非、お聞きなさって下さいませ。

──music forest 序章より

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エドナの過去話

 私の名前はミーシアという名前だった。ここより遥かに治安の悪いルーベス王国という、magic countryの跡地に生まれた小さな国を魔物から守りながら生活していた。

 ルーベス王国は、それはそれは美しいところで美しい自然、力強い大地、そして沢山の幸せがあった。私はそんな国を守りながら生活していることに誇りを持っていた。

 ある日いつも通り仲間と共に森で魔物を狩りに言っていると、一匹の銀色で美しい獣がいたんだ。その獣は、見た目に反してとても恐ろしく、私が今までみたどんな獣よりも強かった。みるみるうちに仲間がやられていって、私もとうとうやられてしまった。

 死を覚悟した瞬間、私の耳がある一つの声を聞き取ったんだ。

「ようやく、見つけた。私のモルモットちゃん…剣を返してもらうわよ…」

 その声の主はmagic countryの王族の生き残り、レイシア=レーフィスだった。しかし、ここで私の意識はもう飛びさってしまったためこれ以上のことは分からない。

──music forest 一部 四章 最終節より抜粋

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magic countryの末裔について

 過去のmagic countryの技術に、自らの年齢を止める技術というものが存在した。その技術を使って、自分の時間を止めて今もなおこの世を生きているmagic countryの‘王族の末裔’というものが存在するらしい。

 その人物は、人間を動物に変えて長い寿命を与えるという実験していたとかしていないとか……その酷い実験を繰り返してできたのが、不老不死を実現する前述のものだという。

 その人物が、何故不老不死を望んだのかは分かっていない。

──music forest 第二部 三章 七節より抜粋

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魔法の剣

 実験を繰り返してようやく不老不死を手に入れた彼女は、魔法の剣を探す旅に出たのです。しかし、彼女は剣を見つけることが出来ません……何故なら、白猫がその剣を何処かへ隠してしまったからです。白猫は千年の間、彼女の手に魔法の剣が渡らないように魔法をかけました。そうして、世界は今も平和なのです。めでたしめでたし

──music forest 第二部 三章 八節より抜粋

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賢者様の出した謎、の本文

 music countryの女王の子孫、magic countryの王の子孫、彼らは始祖の魂と同じ資質を持っている。

 彼らがその力を解放し、どちらかの人としての命を賭し、もう一方がその力を奪い神に等しい永久の命を持つ存在になれば、強大な力を持ち闇の底からこの地を滅ぼそうとするmagic countryの王の血を継ぎし邪悪な者の力を打ち消すであろう。

 そして、この世界を清らかに照らす尊い月と太陽の光が誕生するであろう。しかし彼らが美しき心を黒く染める、もしくはその心を絶望に賭し、希望や夢を捨てればこの世界に光はやってこない。

 この世は、全て闇に住まいし者によって醜いものへと変えられてしまうだろう。あの頃・・・のように、木々は枯れはて、地上にある都市はすべて滅びてしまう。

 この文章を読み解きし、この国の真の歴史を求めるものよ。これは、愚かな間違えを犯した私たちが出来る唯一の償いだ。どうか始祖の魂を持つものを見つけ出して、この世の闇を奥底に沈めてほしい。二人をつれて、古の時代から存在する遺跡へ向かえ……さすれば……

──music forest 第二部 四章 十節より抜粋

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