ご飯を食べて、いつも通りくだらない話をして、お風呂に入って、寝る。変わることのない、生活の一部といっても過言ではないこの生活を繰り返す。旅路を進んで、たまに事件に巻き込まれて、そして解決して……そんなことを繰り返す私たちの日常。
だけど、この生活はもうちょっとで崩れてしまう。だって、私かカイトが死なないと世界は壊れてしまう。そして、死ななかった方は……いつか行けるという神様のみもとに一生いけなくなって離ればなれになってしまう……。
そんな、絶望的な状況におとされた私たち。だけど、私たちは……私とカイトとそしてエドナは……まだ希望を捨てている訳じゃなかった。
さっき、三人で話し合ったんだ。一回絶望して、そして……そんな運命に逆行するために、色々なことを話し合ったのだ。怖いという感情をすべて心のなかに閉じ込めて、真実に目を向けて話し合ったのだ。そして……
「一回、明日賢者様のところにいってお話をちゃんと聞いてこよう」
という結論が出たのであった。多大な知識を有している賢者様であれば、きっと何か役に立つこと教えてくれるはず。そんな希望を有して賢者様のお家をもう一度訪ねるのであった……。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!