無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第5話

一章 最終節 村からの旅立ち


 『いってきます!』

そう、明るい声が村に響いた。お母さんと墓場に行ってから約三日後、イフリートとの契約はまだできていなかったが私はカイトと共に村を出ることになった。私達が生まれ育った町、思い出がたくさんあるこの風景をしばらく見られなくなってしまうのは寂しくなるかもしれないけど、私は絶対に笑顔でここに帰ってくるんだと心のなかで誓った。

「エイカ…いつかはこの村に戻ってきてね。お母さんはずっとエイカのことを待っているわ。寂しいとき、辛いとき、いつでもここに戻ってきて良いのよ。」

お母さんがお見送りに来てくれた。お母さんの優しい声がしばらく聞けなくなると思うとちょっぴり寂しい。だけど、自分で決めたことだ。これから私はカイトと共に沢山の冒険をしていく。

「後、旅に出るのにこれじゃあ危なさ過ぎるわ。この剣を使ってあなたと、カイト君を守りなさい。この剣は桜の剣(さくらのつるぎ)きっと、あなた達の助けとなるはずよ。」

その華奢な細剣レイピアを受け取り、お母さんにありったけのありがとうの気持ちを込めて笑顔を向けた。

「ありがとう、お母さん。これから行く予定のハジマリノシティに着いたらすぐに連絡するね」

「ありがとう、楽しみに待っているわ。」

お母さんは私に笑い返してくれた。

「カイト、絶対にエイカちゃんを守りなさいね。一人で帰ってきたら…ふっふっふ…分かるわよね?」

カイトのお母さんも見送りに来てくれたみたいだ。ありがとうと心のなかで呟く。

「わ…わかったよ母さん。絶対にエイカと二人で帰ってくるから思い出話を楽しみにしていてね。」

『それじゃあ、いってらっしゃい』

お母さん達の声に答えるようにカイトと声を合わせた言った。

『いってきます!』

バイバイ、私達を育ててくれたこの町、バイバイ、お母さん。こうして、生まれ育った町を初めて出て足取りは軽やかに、冒険者にとって始まりの町、ハジマリノシティへ向かうのであった。