第11話

二章 六節 アリシャさんとの出会い
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2020/01/14 11:28


 「おーい~エイカ~エドナ~こっちこっち」

数時間後、私とエドナは言われたところの買い物を済ませて待ち合わせ場所に向かっていた。因みに、買い物風景は特筆すべき所もないため、割愛させてもらおう。

「よかった…迷子になってなくって」

「カイトさん…?流石にそれは酷くない!?」

そういうとカイトは笑顔を浮かべて言った。

「ごめんごめん冗談だよ。とりあえずどっか茶屋でもいく?買い物して疲れたでしょ?」

そうだね…と言おうとした瞬間にエドナが止めてきた。

「カイト、エイカ、ちょっと待ってくれ」

「なに?エドナ」

ちょっと相談がある…とでも言わんばかりの顔でエドナは言う。

「今日の宿はどうするんだ?」

「そういえば…そうだね」

「あーね…外で野宿はこの辺りじゃできないしね。いっそのこと一番安そうな宿の扉でも叩く?」

え?ちょっと私は泊まるつもりだったけどカイトさんは野宿するつもりだった?とかるーく突っ込んでから(本日二回目)私は慎重に発言する。

「えーっと…ここら辺で一番安い宿ってどこ?」

ごめん、自分で発言して思った。これって、あまり賢そうじゃないね…うん、ごめんなさい。

「もしかして、あなた達宿を探しているんですか?」

後ろから声が飛んできた。

「あ…いきなりごめんなさい…お困りのようでしたので…つい」

その人は…女性だろうか?頭に耳が生えていて、尻尾が生えている。とってももふもふそう。触ってみたい。

「いえいえ、大丈夫ですけど…お名前は…」

カイトが尋ねると彼女は答えた。

「私は獣人のアイシャです。この近くにある宿に住み込みで働いています。宜しければ案内いたしましょうか?そこまで高くない…はずですし」

「あ、お名前をお尋ねしておいて答えないのは失礼ですね。僕はカイトって言います。」

カイトに続いて私も自己紹介をする。

「私は精霊使い(仮)エイカです!」

「私はエドナだ。宜しくな。」

「え…?このねこさん喋るんですか?しかも精霊使いさんですか…ほへー…すごいですね」

「えぇ、村にいたときに色々な精霊さんと契約していたんです。まあ旅に出てからは一回も精霊さんにあってないですがね(笑)」

「そうなんですね!それでも凄いですよ…」

アイシャさんと一緒に話しているとカイトがアイシャさんに宿について訪ねてくれた。

「それでアイシャさん、もしよろしければその宿まで案内していただけないでしょうか?」

アイシャさんはとっても可愛らしい笑顔で笑って答えてくれた。

「勿論!いいですよ。ついてきてください」

『ありがとうございます』

こうして、獣人のアリシャさんと出会い、宿まで案内してもらえることとなったであった。

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