「お帰りエイカ~……って!! ウンディーネさん!?」
今は、ウンディーネさんに守ってもらいながらあの森を抜けて、ようやくカイトのまつところへ帰ってきたところである。また、何度か魔物に遭遇したけれど全てウンディーネさんが追い払ってくれた。本当に感謝してもしきれないよ……。
「いろいろあってね、呼んだの」
「そっか……とりあえずご飯の準備、しちゃうね」
「うん!!」
私は元気いっぱいの返事をする。エドナも、心なしかうれしそうな顔をしている。
「それでは、その時間に私は旧魔法時代について語らせていただきますね」
「お願い!!」
そういって、ウンディーネさんは衝撃的な一言を発した。
『旧魔法時代とは、私たちが今過ごしている時代の約〝千年前〟、music countryとmagic countryが未だに存在していた時代のことを指します』
「千年前!?」
「えぇ、だから珍しいといったのです。普通、そんな前の時代の人間がこの時代に生きているはずなどないのですから。彼女は、何者かに手を加えられているのでしょう」
「手を加えられているって……」
「magic countryの技術に、そういうものがあると聞いたことがあります。きっと、その力によるものなのでしょう」
エドナが……昔そんなことを言っていた気がする。もしかして、それに何か関連があるとか?
「まあ、私のほうで調べてみましょう。何かわかったら、おしらせします」
「ありがとうね!! それじゃあウンディーネさんもご飯、食べていく?」
「……頂きます」
Magic countryの技術か……もしかしたら、カイトが何か知っているかもね
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!