第52話

三章 八節 童話にもヒントが……
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2020/09/17 15:41


 結局その日は夕方になるまで図書館にいた。否、カイトがそこから離れようとしなかったのだ。何か、調べているうちに面白いことを発見してしまったとかで……最近、私よりもカイトが活躍している気がするのは気のせいかな……。この前召喚したウンディーネさんも、ちょっと遠くに行くと言ったきり帰ってこないし……。

 精霊は、人間と契約することでしか人間界に来ることはできないのだ。いつもは、精霊界って所にいるんだって。この前、シルフさんに聞いた話だととっても綺麗なところなんだって。人間は絶対いけないところらしいんだけど……ちょっとだけ覗いてみたいかも……。

 まあ、そんなことは今どうでもいいんだ。さっきまで私はある童話集を読んでいたんだけど、それが面白いんだよ‼ このmagic country と music counryで実際にあったことを童話風に子供でも読めるようにしてあったの。ちょっとだけ、エドナのお話とかに似たものあったから一応メモはとっておいたんだけど……。

 エドナもカイトも集中しすぎて私の話を聞いてくれなくてさ……まだ、伝えられていないんだよね。で、そのお話っていうものが[不老不死になった女の子]っていうお話なんだけど、エドナのお話と全く同じことが描かれていたんだ。ただ、終盤だけちょっと先の事がかかれていて……。

[実験を繰り返してようやく不老不死を手に入れた彼女は、魔法の剣を探す旅に出たのです。しかし、彼女は剣を見つけることが出来ません……何故なら、白猫がその剣を何処かへ隠してしまったからです。白猫は千年の間、彼女の手に魔法の剣が渡らないように魔法をかけました。そうして、世界は今も平和なのです。めでたしめでたし]

 なんとなく雑な終わりかただよね……魔法の剣っていうのがエドナの言う世界を滅ぼせる剣というのは間違えないと思う。白猫って言うのは味方なのかな? ‘彼女’に魔法の剣が渡らないように魔法をかけてくれた……って書いてあるけど。

 まあ、この本が本当であるなら確実に言えることは……悪さをしているのはmagic countryの王族の末裔……というよりかは、ずっと不老不死のそんざいとして生きているずっと前の世界で生まれたmagic counryの始祖に近い血を持っている物ってことだよね……。

 うーん、まだよくわからないや……とりあえず、今日のことは一度頭にしまってあとでもう一度考えてみよう。ノートにも要所要所はメモしたしね‼

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