「そういえば、エイカちゃんにかけられた呪いについて詳しく説明ってしたかしら?」
不意にイフリートさんがそう問いかけてきたのは、あれから一時間……そのくらいがたったときのことだった。特に詳しく説明されていないから、と首をブンブンと横に降るとイフリートさんは優しく微笑んで言った。
「それなら、そろそろ一回休憩しましょ。休憩している間に説明するから」
(やったぁ‼)
正直、ちょっとだけ疲れていた。それに、呪いについて知っておかないと……どうやったら解呪できるのか、そしてどの程度まで強いものなのか……それくらいは知っておかないといけない。
呪いを自分にかけられた実感はわかない。むしろ、ただ風邪をひいているだけなのではないかと錯覚してしまうほどだ。とりあえず、最低限自分の身を守れるだけの知識はほしいのだ。
「それなら、僕が場所の準備をしておくので三人はここで話していてください」
「いや、カイトさん。私も手伝いますよ」
「ありがとうございます」
ということで、私は近くの木陰に座ってお話を聞き始めるのであった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。