第44話

二章 八節 カイトのせいで迷子……
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2020/09/12 16:55


「ねぇ、カイト。本当に、この道であってるの?」

「うるさいな、あってるに決まってるだろ」

「で……でも」

 今は、テントを畳んでもう一度歩き始めてる。カイトに地図を渡してるんだけど……正直、不安しかない。因みに、エドナは疲れて寝ちゃってて、今は自分の頭の上で寝ている。ウンディーネさんは、いつも通りの無表情で後ろをついてきている。

「絶対間違っているでしょうよ、カイト様。ここはエドナ様に地図を任せた方がよろしいかと」

「でも……エイカだと絶対変な道に進むでしょ」

「今変な方向に進んでいるんだよ‼」

「……ごもっとも」

 ウンディーネさんが口を出すってことは一体どんなところまで来てしまったのだろうか……一気に不安になってきた。今日はいっぱいウンディーネさんは喋っているけど、いつもは一切喋らないんだよ……本当に怖いんだけど。

「エイカ様、大丈夫ですよ。ここからは私が案内させていただきます。カイト様が、エドナ様を信用できないとおっしゃるようですから……私であれば信用していただけますか?」

「まあ、ウンディーネさんなら……」

 そういって、地図を渡すカイト。本当に助かったよ……。

「……これは酷いですね。どうしたらこうなるのか」

「ということは……?」

「とんでもない方向に進んでいます。まあ、それでも三日くらいあれば目的地につけるでしょうけど」

 うげ……もうちょっと早く地図を渡してもらえばよかったよ。機械技術とか錬金術がまだ少し残っている[magic country]にたいして強い興味を持っていたから、譲ってあげたけど……。後悔しかないかも……。

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