「エイカ!エドナの薬が出来たぞ!」
私は、カイトの一言でガバッと起きた。どうやら、私は少しだけ寝ていたみたいだ。本来なら、ちゃんと面倒を見なきゃいけないのに…。って、え!?薬完成したの?
「エイカ、手伝ってくれ。ちょっと飲ませるの大変だから」
「わ、わかったよ」
そういって、私はカイトの方へ向かった。カイトの手には、見るからにヤバそうな薬があった。うわー…これをエドナは飲むのか、大変そうだな…
「ごめん、ちょっとそこにある針と袋をとって」
針と袋を渡すと、カイトは薬を袋のなかにいれた。一体これで何をするんだろうか?
「これ、magic countryの点滴っていう技術をそのまま用いているんだ。この針、小さな穴が開いててそこから薬が入るんだ。錬金術で作った。」
なんか、聞いたことがある気がする。昔、家で読んだ本で読んだことが確かあった気がする。うへー、こんな短い針に穴が開いてるのか…カイトの錬金術ってすさまじいね。
一体、どんな物からこれを精製したのだろうか?普通の錬金術だったら金属を貴金属に変えたりするらしいんだけど、カイトの錬金術はもはや魔法だ。
そんなことは今どうでもいいとして、それからよく分からないものを組み合わせて、本当に本で見た点滴を完成させていた。
「とりあえず、これで点滴の準備はできた。後はこの針を適切な所に差すんだ。」
カイトは、迷いなくエドナにその針を指した。ちょっと迷いが無さすぎて怖かったが、これもエドナを助けるためだから仕方ない。
「エドナ、これで大丈夫なはずだけど…後は僕が様子を見るから。エイカは休んでて」
「いや、なんかあったとき不味いから私も一応起きてるよ。」
「ありがと、それじゃあ僕はお茶でもいれてくるから待ってて。エイカは何がいい?」
「私は…紅茶かな」
「おっけー」
という事で、エドナに薬を投与することができたから後は目覚めるのを待つだけだ。エドナ、早く元気になってくれるといいな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。