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第1話

記憶喪失
58
2018/03/20 16:58
ゴンっ!!
あなた

...痛った!!

コウキ
コウキ
...おい、大丈夫か?
今、すごい音したぞ!
そんなの、言われなくてもわかってますよ。

ああ痛い。すごく頭が痛い。
割れそうだなあ..。
コウキ
コウキ
血は...出てないな。
大丈夫か?まだ痛む?
あなた

はい、まだ痛いです…

コウキ
コウキ
ん?
なんで敬語なんだよ 笑
え?
普通に考えて、見知らぬ人には敬語でしょ?
あなた、学校で習わなかったの?

って言おうとして。
顔を上げてびっくり。

そこには、恐ろしいくらいにイケメンな。
とてもかっこいい男の人がいた。
コウキ
コウキ
とにかく、1回病院に行った方が良さそうだな。
ふと周りを見渡すと、そこはグラウンド。
どこかの学校みたいだ。

野球部らしき人物が焦ってこちらに走ってくる。

野球部
さーせんっしたっ!!!
お怪我はありませんでしたか?!
えー、えーっと…
これって私に?...だよね 笑
あなた

頭が痛いだけだから、大丈夫ですよ。
気にしないでください!

野球部
えっ!
私がそう言うと、野球部の男の子はきょとんとした顔。
そしてぱっと笑顔になって。
野球部
あ、ありがとうございます!!
あ、いや...すいませんでした!
満面の笑で去っていった。
私が不思議そうな顔をすると、
コウキ
コウキ
お前、大丈夫か?
あなた

え、なんでですか?

コウキ
コウキ
いやだって!
今までは、俺以外の奴とは口聞かなかったじゃないか。
話しかけられても無視してさ!
え、私そんなひどい人なの?!
...いや、そんなことない。
あなた

そんなはずありません。
なにかの勘違いじゃないですか?

コウキ
コウキ
...あなた、本当におかしいぞ。
まじで大丈夫か?
...この人は何を言っているの?
あなたって、私の名前?
あなた

...私はあなたって言う名前じゃありません。
私の名前は、名前は...あれ?

...あれ?
自分の名前がわからない!
なんで!?
コウキ
コウキ
あなた、俺のことは覚えてるよな?!
あなた

えっと...ごめんなさい

コウキ
コウキ
...嘘だろ...
イケメンくんはすごい悲しそうな顔で俯いた。

そんな顔しないでよ!
こっちまで悲しくなるよ。

もう、どうしたらいいんだろう。
わかんないよ…
コウキ
コウキ
あなた、...病院行くぞ。
あなた

...うん

これは、本当にやばいと自分でも思った。
なんで名前がわからないのか、イケメンくんとはどういう関係なのか。
もっと色々、知りたくなった。

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