ゴンっ!!
そんなの、言われなくてもわかってますよ。
ああ痛い。すごく頭が痛い。
割れそうだなあ..。
え?
普通に考えて、見知らぬ人には敬語でしょ?
あなた、学校で習わなかったの?
って言おうとして。
顔を上げてびっくり。
そこには、恐ろしいくらいにイケメンな。
とてもかっこいい男の人がいた。
ふと周りを見渡すと、そこはグラウンド。
どこかの学校みたいだ。
野球部らしき人物が焦ってこちらに走ってくる。
えー、えーっと…
これって私に?...だよね 笑
私がそう言うと、野球部の男の子はきょとんとした顔。
そしてぱっと笑顔になって。
満面の笑で去っていった。
私が不思議そうな顔をすると、
え、私そんなひどい人なの?!
...いや、そんなことない。
...この人は何を言っているの?
あなたって、私の名前?
...あれ?
自分の名前がわからない!
なんで!?
イケメンくんはすごい悲しそうな顔で俯いた。
そんな顔しないでよ!
こっちまで悲しくなるよ。
もう、どうしたらいいんだろう。
わかんないよ…
これは、本当にやばいと自分でも思った。
なんで名前がわからないのか、イケメンくんとはどういう関係なのか。
もっと色々、知りたくなった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。