どうも、クミです。
なぜか分からないけど、いじめられてる。
なんでだろうね?
まぁいい。今日、うちのクラスに転校生が来た。
どうやら『とも』というらしい。
彼はどの人間だろう?
いじめられている人をただただ見ているだけの卑怯者?
意味もなくゴミとして扱われるいじめられる側?
それとも…
いじめる側?
コホン。そんなことはおいておいて、ともというやつは私の隣の席になった。
そう言って、私を指さす。
…棄てられた訳じゃない。
…ただ、ある"事件"に巻き込まれただけなのに。
なんで?
なんで、そんなに話しかけて来るの?
!?違う…
こんな事…言いたいんじゃ、
言いたく…ない…
…あ…
言っちゃった…
なんで…
なんで…
ダッ!
次の瞬間、私は走っていた。
と言うより、逃げていた。
彼がどんな顔するか、見たくなかった。
私は、呪った。
自分の声と、口を、怨んだ。
そして…
しばらくすると、声が出なくなった。
医者によると、極度のストレスだそうだ。
私は、喜んだ。
これで、誰も傷つけずに済む。
誰も……誰も………。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。