その日から俺は家を出なくなった。
食事もろくに取らずに、ただ時間だけが過ぎていった。
ただ、なにもせずに、なにも考えずにいた。
だって、そんなことしたって意味が無い。誰も助けられないから。
むしろ、誰も傷つけずに済む。
誰も…
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最近ともさんから全く連絡が来ない。
どうしたのだろう。気になったので、ともさんの家に行くことにした。
ともさんの家に着いて、インターホンを押した。だが返事はない。
帰ろうかと思ったが、なんだか胸騒ぎがした。
一応ドアが開いてないか開けてみる。するとドアが開いた。
人のいる気配はないが、奥に進む。
しかし、そこにともさんがいた。
目は空いているし、息もしているようだ。
ピクッと少し動いた気がした。
すると
立ち上がろうとしたのだろうが、そのまま転けた。
起こそうとして、体を持ち上げる。
以前より、ものすごく軽くなっている。
よく見れば、髪の毛も若干減ったようにも見える。
顔も痩せこけて、衰えたようにも見えた。
すると突然ともさんはなぜか、凄く驚いたような表情をした。
ともさんが指差した方を見ても、誰もいない。
といい、ともさんの肩を持とうとした。
だが、
持てなかった…
つまり…もしかすると……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。