第5話

💛
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2021/03/20 08:30
んー…ここ思いっきり見せ場作りたいな。


アクロもいいんだけどたまにはそれ以外で…。



ガチャッ



『 あれ、ひーくん1人? 』



岩「 え、うん。だって今日練習ないよ 」



『 あーそっか!…あれ、じゃあなんでひーくん? 』



岩「 振り考えててさー 」



『 え!またフライングで見たいなぁ… 』



岩「 仕方ないな笑 姉貴にだけだからな笑 」



『 やったねっ! ん、ちょっと電話してくる! 』



岩「 はーい 」



俺らのグループの兄組には1人女の子がいる。


1つ歳上で2年先輩。


だけどその差がないように接してくれる。


本当は多分練習ないのしってて、


自主練できたんだと思う。


俺がこの事務所に入った時から


ずっと努力を重ねてるほんとにすごい努力家。



『 ただいまーっ 』



岩「 おかえり 」



『 とりあえず通しで見せてもらっていい? 』



岩「 わかった。途中までだけどごめんな 」




『 え、かっこよくない?今までで1番だわ 』



岩「 それいつも言ってない?笑 」



『 だっていつも思うんだもん笑

私ほんとひーくんの振り大好きだなーって 』



岩「 ありがと笑 」



『 ねね、ここってこう?それともこっち? 』



岩「 それはこうこうこう 」



『 あーそっかそう流れになってるのね 』



岩「 今回あねきなの苦手なステップ

入ってるけど許して笑 」



『 えー!あれさっくん得意だよね?!

やだああああ!練習しなきゃ! 』



岩「 ほんと負けず嫌いなのな笑 」



『 当たり前でしょ、ファンじゃない人なんか

特に私のそういう部分しか見ないんだから

そこでちゃんと魅せないと 』



ほんと誰よりもかっこいい。


今まできっと1人でこうやって戦ってきたんだろう。


そういうところを見ていたら自然とふりが出てくる。



岩「 ね、この曲のここに見せ場作りたいんだけど

あねきなこれやれる? 」



『 やってみる、 』



岩「 …どう、入れれそう? 」



『 入れるよ、絶対に入れる。

ひーくんが考えてくれたんだもん 』



岩「 そう言ってくれると思ってた笑 」



俺の憧れで多分手の届かない人。


俺の考える振り付けは俺の名前しか出ない。


けど多分、いつもこの人と作ってる。


いつか公に2人で作ったって言える作品が


できたらいいな。


今はとりあえずそう思いながら彼女の


頑張る横顔を見る。

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