蘭 story
ただ、彼女にひとつ謝りたかった。
今までのことを
今までやってきた俺の素行の悪さが脳裏に過ぎる。
わざわざ人の心を弄ぶようなことをしたり、殴ったり____
あぁ、どうしようもない俺よ。
どうかどうか、報われろなんて言われない。
ほら、見つけてしまったんだ。
君を
蘭「はぁ…はぁ……」
どのくらい走ったか分からない。
ただ、校内をこんなに必死になって走ったことなんてきっとなかったであろう
彼女の存在をこの目でとらえた時、ようやく足が止まった。
それと同時に喉の奥がきゅっと苦しくなった。
ようやく気づき始めた 未知の感情 から渦巻く嫉妬という ソレ は俺の中で少しずつ頭角を現し、いつかそのものだけで自分を支配してしまう時が来てしまったらと焦るほどだ。
彼女はひとりじゃない。
もう隣には………
『あー!それ私が買おうとしてた揚げパン!』
竜胆「お前がぼけーっとしてんのが悪ぃよ笑」
俺なんかより ずっとずっと優しくて、素直 な奴が居るのだから
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。