竜胆先輩が 今日はうまいたい焼き屋に一緒に行かないか? なんて誘ってきたから帰路を一緒に歩いていた。
どことなく寒い風が頬にあたる。
竜胆先輩は 最近寒いよなぁ なんて笑っていた。
交差点でのこと。
フラフラと前を歩く男がいた。
その人は金髪と黒髪の女の人……?いや、背が高い男の人。
ロングの髪を靡かせて、どこかフワフワしたような歩き方をしていて、この人大丈夫かな?なんて思っていた矢先での出来事だった。
信号が赤だというのにその人は真っ先に道路へと飛び出た。
その瞬間に見えた顔が 蘭先輩 で
何も外部の音が耳に入らなかった。
すごい形相で私が止めに入ろうとしてきたのをみた蘭先輩は私に向かって
" 救いようもないだろ?笑 "
そう言うと私の頬に蘭先輩の涙の粒が優しく触れた。
キキーーーッという急ブレーキ音と、竜胆先輩の
竜胆「兄ちゃッ?!あなたーーーーー!!!!!!」
と、叫ぶ声と体がフワッとういた感覚、でもね
私、蘭先輩よりはきっと 痛くないよ 。
だって、蘭先輩がとっさに私を抱きしめて車からの衝撃を1人で受け止めようとしていたから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。