第8話

友達だからわかること
63
2020/06/10 09:21


《休み時間》




橘菜々美
橘菜々美
ねぇ遼。
津村遼
津村遼
ん?
橘菜々美
橘菜々美
拓磨くんだっけ?
橘菜々美
橘菜々美
あの子、ちょっと怪しくない?
津村遼
津村遼
あぁー!俺も思った!
橘菜々美
橘菜々美
何か、急に麗奈と仲良くなったし
麗奈といるときとクラスのみんなといるときで表情が全然違う…
津村遼
津村遼
麗奈に何か目的があって
嘘ついたりして近寄ったんじゃない?
橘菜々美
橘菜々美
嘘?
津村遼
津村遼
うん。
津村遼
津村遼
俺が思うに拓磨は、性格を偽っている。
仲のいい俺らに、嘘をついてる。
橘菜々美
橘菜々美
拓磨じゃないかもよ
津村遼
津村遼
え?
橘菜々美
橘菜々美
偽ってるのも嘘ついてるのも
拓磨じゃないかもよ…
津村遼
津村遼
っていうことは…
橘菜々美
橘菜々美
偽ってるのは、嘘ついてるのは
麗奈…
津村遼
津村遼
そんな訳ないよっ
橘菜々美
橘菜々美
何でそう言えるの?
津村遼
津村遼
だって麗奈は俺らの親友だぞ?
橘菜々美
橘菜々美
だからってそんな!
桜井麗奈
桜井麗奈
どうしたの?
津村遼
津村遼
麗奈っ…
橘菜々美
橘菜々美
ねぇ麗奈。聞きたいことがあるんだけど
桜井麗奈
桜井麗奈
何?
津村遼
津村遼
菜々美、やめろ…
橘菜々美
橘菜々美
黙ってて!
津村遼
津村遼
菜々美っ!
橘菜々美
橘菜々美
嘘ついてる?
桜井麗奈
桜井麗奈
え?
橘菜々美
橘菜々美
私達に何か隠してることない?
桜井麗奈
桜井麗奈
どういうこと…?
橘菜々美
橘菜々美
拓磨くんといつもコソコソと何話してるの?
橘菜々美
橘菜々美
拓磨くんと急に仲良くなっていつも一緒にいて
何か怪しいよ…
桜井麗奈
桜井麗奈
それは…
上條拓磨
上條拓磨
俺と麗奈が何だって?
橘菜々美
橘菜々美
あっ…
上條拓磨
上條拓磨
俺らが怪しい?
上條拓磨
上條拓磨
嘘ついている?偽ってる?
上條拓磨
上條拓磨
フッ…。ハッハッハ!
桜井麗奈
桜井麗奈
拓磨くん?
上條拓磨
上條拓磨
何だそれ。
上條拓磨
上條拓磨
隠し事があって何が悪い?
お前らに何の害もないし、迷惑だってかけてない。
橘菜々美
橘菜々美
でもっ!友達だからっ
上條拓磨
上條拓磨
友達?
上條拓磨
上條拓磨
友達だからって何でも言えと?
隠し事するなって?
上條拓磨
上條拓磨
バカバカしい
上條拓磨
上條拓磨
お前らに言えないから隠してるんだろ!?
お前らが言えない環境を作ってるんだよ!
橘菜々美
橘菜々美
何言って!
上條拓磨
上條拓磨
俺が何も知らないと?
橘菜々美
橘菜々美
え?
上條拓磨
上條拓磨
ふたりの話についていけるように
全然知らない話を好きでもないものを、毎晩調べてること。
上條拓磨
上條拓磨
ふたりはよく喋るから、自分は聞き役にまわっていること
上條拓磨
上條拓磨
奈々美は静かな子が苦手だから
頑張って明るく振る舞ってること
橘菜々美
橘菜々美
そんな…
上條拓磨
上條拓磨
まだある
桜井麗奈
桜井麗奈
拓磨くん…。やめて
桜井麗奈
桜井麗奈
もういい
上條拓磨
上條拓磨
それに麗奈はいつもっ
桜井麗奈
桜井麗奈
やめてっ!!
津村遼
津村遼
麗奈…?
桜井麗奈
桜井麗奈
もうそれ以上言わなくていい
上條拓磨
上條拓磨
何で?
上條拓磨
上條拓磨
またあれか?
友達を失いたくないってやつ
桜井麗奈
桜井麗奈
上條拓磨
上條拓磨
そんな友達が大事?
上條拓磨
上條拓磨
友達がいないと、生きていけないのか?
桜井麗奈
桜井麗奈
拓磨くん…
上條拓磨
上條拓磨
自分の気持ちを押し殺してまで友達といたいのか!?
傷付いてまで苦しんでまでっ…
誰かと一緒にいたいのか?
桜井麗奈
桜井麗奈
上條拓磨
上條拓磨
そういうのは、友達って言わないよ…
上條拓磨
上條拓磨
自分に言い聞かせるのはもうやめろ
桜井麗奈
桜井麗奈
何で拓磨くんは、そんな私のことに突っ込むの?
何でそんなに、必死になってくれるの?
上條拓磨
上條拓磨
何でだろ…
桜井麗奈
桜井麗奈
普通、そんな必死にならないよ
上條拓磨
上條拓磨
好きだからかな…
桜井麗奈
桜井麗奈
え?
上條拓磨
上條拓磨
麗奈のことが好きだからかな
桜井麗奈
桜井麗奈
何言って…
津村遼
津村遼
麗奈、行こう
桜井麗奈
桜井麗奈
遼…
桜井麗奈
桜井麗奈
でも、まだ話はっ!
津村遼
津村遼
いいからっ!






麗奈は、遼に連れて行かれてしまった。




















何言ってんだ俺。




















告白なんて気味悪いこと…。























麗奈だけには、苦しい想いしてほしくないんだ。




















俺には見えてる。
















麗奈がこの先、友達のことや家のこと
















色んなことで苦しんでいる姿が。




















俺が助けてあげたいのに。













そばにいてあげたいのに。





















告白なんてしたら、麗奈は俺から離れてく。
















そうだよ。
















みんな俺から離れていっちゃうんだ。
















俺のそばにいてくれる人なんて



























この世界にいないんだ。


















だって俺は
















これっぽっちの人間だから。
















人を殺すことが生きがいの
















最低な人間。













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