第9話

如月アテンション
224
2018/11/24 06:50
「元々俺と仲が良くてな。そこからモモも仲良くなっていったんだよ」
「えへへー」
そう、昔お兄ちゃんが仲が良かったツキさんは、私とも仲が良くなっていって、あっという間に「お姉ちゃん」のような存在になっていた。
「すごいね、モモ・・・」
「でしょ!でも能力を持っていたのはビックリしました!」
「モモと遊んでた頃の後だからな。カゲロウデイズに飲み込まれたのは」
「あっ!そっか!」
貴音さんがソファから立ちあがったことに、誰もがびっくりしていた。
「ツキちゃんってカゲロウデイズに飲み込まれたの、なんでなの?」
「ホントだ!いつなんですか!?」
カゲロウデイズに飲み込まれていなければこの能力を持っているのはおかしいことだった。
まぁマリーちゃんは別だけど。
「俺がカゲロウデイズに飲み込まれた時?」
「はい!」「うん!」

「・・・兄ちゃんとね、飲み込まれた」
「ツキさん、お兄ちゃんいたんですか・・・?」
「うん。俺が7歳の時、父さんに殺された。俺もなんだけどね」
「お父さんに?」
「ひどい父親だった。昔から人を殺すような人だったんだよ」
「え・・・?ツキ、そんなこと聞いたこと無かったよ・・・?」
「・・・俺の前でいろんな人を殺してね。でも警察には捕まらなかった」
「捕まらなかったの?おかしくない?」
「お金かをあったんだよ。財閥なんて立ち上げて。だから捕まらなかった」
「そんな・・・」
「だからね、負けたくない」
ツキさんは真っ直ぐ向いて、強い瞳をしていた。
流石だなぁ、すっごくカッコイイ。
「冴えるを倒して・・・父親も倒す」
なんだかひどいことを言っているような気もするけど、ツキさんがどれだけ辛い思いをしてきたか。
私にはわからないけど・・・
「協力しよう。ツキ」
「俺たち、助けるっすよ!」
メカクシ団ってすごいな。
1回言ったらなんでも解決しちゃいそう。

「私も頑張ります!」
ちょっと大きな声で言ってみた。
みんなに聞こえるように。
自分に言いつけるために。

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