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第1話

僕→兄①
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2018/11/23 12:15
「お前は、人を愛せよ。」

兄は2年前にながらスマホをしていて交通事故にあい、他界した。20歳になる前日だった。
母は最後まで「馬鹿な人。」と言っていた。


_兄について。_

僕より5つ上で、勉強ができて、スポーツも球技ならできた。優しく、笑顔の素敵な人だった。欠点があるとすればスマホが好きだった事だ。そのせいで、彼女と別れたくらいのスマホ馬鹿だった。

僕は兄が好きだった。深い意味はなく、胸を張って好きだと言えるくらいだ。

兄は寝る五分前、必ず話を聞かせてくれた。絵本のような話を毎日、どんな時も。それが亡くなる前日までだというのだから、よく飽きもせず話してくれたし、聞いていたなと思う。

兄は、不思議な力を持っていたらしい。
いつだったか、苦笑いで話していた。持っていても、なんの意味はないと。内容は最後まで話してくれなかったが、羨ましいとずっと思っていた。

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