第8話

俺。
16
2018/11/24 05:49
「自分を愛せなかった事が悔しい。」

死ぬ時が来た。驚くくらい恐怖感ゼロだ。
サイフとスマホを持って家を出てきた。
ある一室を、全て閉じ切り一酸化炭素中毒で死のうと思う。眠る様に逝きたいと思った。

スマホはGPSがついているので、どれくらいかすれば俺を捜索しに来るだろう。

弟は、泣くだろうか。最後にしてやった5分の話は続きがある話だ。意地悪いなと思う。あえて続く話をして、忘れさせないようにしたのだ。

母には迷惑をかける。弟に執着するかもしれない。ただ母は強い。ちゃんと弟を育て上げて、俺に向かって「ざまあみろ、こんなにも幸せなんだよ。」と言ってくるかもしれないな。

準備はできた。

「遺言とか、いいの。」

雪は小さな声で尋ねた。

「何もない。後悔なら、一つある。」

「そう。」

「じゃあ、おやすみ。雪。ありがとう。」

「ーええ、こちらこそ。ありがとう。」

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