6時限目が終わり、教科書をしまうと、
前の席の夕輝が後ろを向いてくる。
あ、ちなみに俺らは窓側一番後ろ。
正真正銘端っこ。いいよ、ここ。
居眠りしてもバレない…事が多い。
夕輝は運動神経が昔から良くて、
サッカーをやってる。
高校に上がって、クラブチームから
推薦とか来たらしいけど、
青春を謳歌するため部活にしたとか。
アホか、進め馬鹿。
ちなみに俺は部活と言ってもいいのか。
ヲタクと腐女子とゲーヲタが集まる通称漫研。
漫画研究部。以外に部員は一定数足りてたし、
俺にピッタリだと思って入部した。
と、放課後ー。
凄いめんどくさい。
出来れば早く帰ってログインしたい。
だけどここで彼女を断ったら
地味が更にぼっちに成りかねない。
仕方なく体育館裏に行って、体育館に寄りかかる。
すると砂を蹴る、走ってくる音がした。
あーあ、もう出来れば3秒でお願いします~
帰りたいー。
おー、ジャージかー。
Tシャツ透けないかな。
あ、お前ら今キモいとか思った?
男の考えてることなんて大体これだからな。
えー、何ー、ここで彼氏出来てー
みたいな自慢されたら俺帰るよー?
相談もクソもねぇなおい。
やべぇぇぇぇ、俺やった。
即答したよ!?いやでも本心がぁあ!
あ、ヤバイ、泣くか、俺お母さんの次に
彼女泣かせんの?嫌だよぉ。
強い。この子芯から強い…!
すーごい笑顔。その辺の男子ならイチコロだね☆
残念、俺はそんなヤワな奴じゃない。
帰ろう帰…ちょっと待てよ。
俺は?彼女に告白されて?
夕輝は?彼女好きで…
俺、どうしよう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!