もう痛みが感じない・・・
終わりなんだー
やっと家族の所に行ける・・・
「ポロポロ」
最後でも笑いたい・・・
ツー....
『ニコ』
これが私の生きている時の最後の笑顔・・・
さようなら、時透さん・・・
そして柱の皆さん・・・
とても懐かしくて優しい声
昔の日々を思い出す
悲しいこと
嬉しいこと
初めて好きになった人....
「ニコ」
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体が浮かぶ・・・もう天国に行くんだ
これからどうなるんだろう
「ニコ」
お母さん...皆こんなところにいたんだね
ふと後ろを向くとそこには・・・
そう言い時透さんは私の手を取り
笑顔で光の方に近づいた
神様どうか
どうか
後世もこの人と一緒になるように
何年ごも何十年ごも
私はあの時もう絶対に泣かないと約束した
嫌いな自分に戻らないと
家族が殺されてからずっと罪悪感を背負ってきた
でも今はただ
許された気がした
今は...
どこかもう邪魔されない場所に行きたい
幸があるからこそ悲しみがある
悲しみがあるからこそ幸せがある
それに初めて気づいた
私は
一人でも多くの人を助けられたことを
私は誇りに思っています
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終わりー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!