二人とちゃんと話をしようと思った。
そしたら、衝撃的な告白をされた。
えっ??20歳のお祝い?
えっ?二人はこの国の王女?
衝撃的すぎて、かごをおとしてしもた。
黙っていようかと思いましたが・・・
それは、無理ね・・・
ちなみに、明日だから
へっ?明日?あした何があるんや・・・
その前になんで、王女の二人がこんな、庶民の仕事してるんや!!
わたしたちは、王女というものに縛られたくないので・・・・。それにしても庶民なんて言葉よく知ってますね
そうやけどさぁ~。いや、それはゲームやアニメでよく出てくる言葉で・・・
ってそんなこと言うてもわからんか(笑)
そんなに意外かしら。
・・・ふたりにはその・・・・好きな人とか婚約者とか・・・おらんのか?
美人やし、こういうときの王女って、王子からのアプローチとかすごそうやん。
急な質問やけど・・・
こんな生活になってからは・・・
・・・・・
俺にもおるんや。
でも、そいつについ最近フラれてしもたんや
あら。剛さん優しい方なのに・・・
ものたりやんのやて。
アイドルなんでしょ?
そ、そうや。だから、女の子にいっぱいキャーキャー言われてるねん。
それが、ファンってやつやけど・・・
あら、すてき
どこが。面食いなだけじゃない
なんや、やきもちか?
そんなわけないでしょ?
あしたは、お祝いの日や。盛大に行うんやろうなぁ~。なんか想像してまうわ。
そうね。明日、わたしとリリーは、20歳の誕生日をむかえます。
それまでみてはいけない宝物があるのです。
えっ?二十歳。あんさんら、二十歳になるんや。
地球人でいう、成人と言うものでしょうか。
そっかぁ~そうなんや~。よし、頑張るわ!
えっ?なにを?
決まってるやん!この国はきっと、地球とかわらん美しい国なんや。
戦争で失ってしまうなんてそんなんもったいない!光の国も想像やけど・・・・ほんまはきっとやめたいはずや。
わたしも、そう思います。
・・・・・
だから、二人を守る!約束する
ありがとう、剛さん。
・・・・・そんな簡単に・・・守るだなんて・・・
リリーはいたたまれなくなり、部屋を飛び出した!
えっ?リリー?
・・・・そんな簡単なことじゃないのよ?
簡単なことやなくても、男が女を守るのは当たり前やろ?
約束する。
リリーも、マリーも守る。
ここにいる間だけでも・・・・
・・・・
どう?ホレた?
バカ!!
バカとはなんや!バカとは!
おれはリリーとケンカするのがいつのまにか心地よくなっていた。
ふたりとも、あとはお願いしていいかしら?
えっ?
買い物いってくるから、仲良くしていてね
な、なに言うてるんや
勘違いされてる。
じゃあ、行ってきます
行ってらっしゃい
俺と、リリーはなぜだか声が揃った。
クスクス
わ、笑われとる・・・・
そしてふたりで、残りの仕事をし始めた。
沈黙が続くなか、
明日のパーティー楽しみやなぁー
変なの。女の子にキャーキャー言われてるんでしょ?
いや、女王様のパーティーに参加できるやなんてなかなかないやろ?
20歳の誕生日・・・
リリーたちも、結婚できる年頃やないんか?
回想
リリー、20歳になったら結婚しよう
・・・・
リリーはなにかを思い出したのか、なぜか泣いている?
リリー?どうした?なんで泣いてるんや?
な、なんでもないわ
なんでもなくないやろ?
つ、つよしさん・・には、関係ない・・・
いや、あのさ。どうでも、ええんやけど、急にさんづけとかやめてや
ど、どうして?別にいいでしょ?
あかんあかん。堅苦しいわ
わたしと、マリーじゃ、態度違うじゃない
あー、やっと普通に話せた
えっ?
女の子の悲しそうな顔は見たくないんや。
ふたりには、笑っていてほしいから。
・・・・・
いつの日か、笑うことを忘れてしまった気がする・・・・
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。