第21話

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2019/10/29 14:17
司会
みなさん、お待たせいたしました。恒例のダンスパーティーの始まりです
剛
ん?ダンスパーティー?
司会
ペアを決めたいと思います。マリーさまより、推薦されてます。
“ツヨシ“さまと、リリーさま。
剛
へっ?
リリー
リリー
ダンス、できるの?
リリーが、疑いの目で見てる
剛
任せなさい
音楽に合わせて、リリーを、エスコートしながら、踊った
観客たち
おー!!
剛
どうや?
リリー
リリー
なかなかやるじゃない
でも、リリーは、嬉しそうではない。
なんでや?
剛
っていうかさ、そんな不機嫌そうな顔を、せんといてや
リリー
リリー
私じゃなくて、マリーの方が良かった?
剛
・・・・・
マリー
マリー
どうしたのよ、ふたりとも
剛
そっちこそ、俺やなくてあちらさん(マークをみて)のほうが、良かったんちゃうか?
リリー
リリー
な、何が気に入らないのよ
剛
それとも、ローリーのほうが、本命なんとちゃうの?
リリー
リリー
・・・・・!?
マリー
マリー
・・・・!?
リリーの目から涙が流れる・・・
そして、彼女は、なにも言わずにその場から立ち去ってしもた
剛
・・・・・
俺は、なにを、言うてしもたんやろ・・・・
リリーを、傷つけてしもたんか?
剛
すまん、マリー、俺、帰るわ・・・
その場にいづらくなってしもた。
周りは、ざわついている。
ここには、もうおれやん・・・
マリーにも、迷惑がかかるから・・・・
剛
・・・・
俺が去ろうとしたときやった
マリー
マリー
ローリーは・・・・
剛
えっ?
マリー
マリー
ローリーは、リリーのかつての恋人なの
マーク
マーク
マリーさん!それは・・・
剛
・・・・
恋人・・・
かつての?
周りがさらにざわついている
マリー
マリー
彼は、彼女の目の前で殺されたの・・・・
マーク
マーク
マリーさん!いいんですか?
マリー
マリー
いいの・・・彼は信頼できる人ですから・・・この人には、話しておかなければなりません
マーク
マーク
・・・・・・
ざわざわしてきた
マリー
マリー
パーティーは、お開きにいたします。この方と、二人にさせてください。
剛
・・・・・ええんか?
マリー
マリー
えぇ。剛さん、少しだけ話を聞いてください。
剛
わかった
パーティーは、お開きになり、お客さんたちは、みんな帰っていった。
そして、パーティーの時だけ雇う執事たちも、家路と帰っていった。
マリー
マリー
これで、ちゃんとお話ができますね
剛
・・・そうやな
マリー
マリー
リリーには、口止めされていましたから。
剛
・・・そうやろうな・・・・
マリー
マリー
彼は・・・、ローリーは、もうこの世にはいません
剛
・・・ん、これで、わかったわ。リリーと、ローリーの関係が・・・

なんとなく、そんな気がした。
あいつに、結婚相手は、おらんのか聞いたとき、2度と会われへんって、言うてたから。
マリー
マリー
ローリーと、リリーはね、結婚を、約束していたの
剛
・・・
マリー
マリー
でもね、両親は、反対したの
剛
反対・・・
よくあることやけど・・・
マリー
マリー
ローリーはね、流行りの疾病にかかりながらも戦争に行ったの・・・わたしたちを守るために、別れを決意して・・・・
でもね、彼は傷つきながらも「ただいま」って、帰ってきてくれたのよ?
リリー
リリー
回想
ローリー!!
マリー
マリー
彼は、長くはなかった。
帰ってきてくれたのに、彼は私たちの両親を狙う光の国の者に気付いて・・・
(回想)
両親を庇うように守るローリー
ローリー
ローリー
みなさん、伏せてください!!
・・・・うっ
マリー
マリー
彼は、両親を庇って、リリーの目の前で・・・・
リリー
リリー
ローリー!いや!
マリー
マリー
撃たれたんです・・・・
撃たれて、息を引き取ったんです・・・・
ローリー
ローリー
リリー
良かった無事で・・・・
マリー
マリー
そう言って彼は・・・死んだのです・・・
そこまで言うとマリーも、涙を流した。
剛
マリー、もうええわ。わかったから・・・
マリー
マリー
彼女は、まだ、ローリーを、忘れられないのです
剛
俺、あいつにひどいこと言うてしもた・・・こんな悲しい過去があったんならもっと早く・・・・
知っていればあんなこと言わんかったのに・・・
マリー
マリー
剛さん、あなたなら・・・リリーの心を・・・
剛
・・・・
マリー
マリー
もう一度、リリーの心を変えられると思うんです
剛
えっ?俺が?
マリー
マリー
剛さん、ローリーに似てるから・・・
剛
似てる?俺が?
どんな風に似とるんや?顔か?性格か?


ドラマみたいな展開やな。
マリー
マリー
この機会だから、剛さんにもお見せしますね。父と母が残した宝を・・・
マリーは、俺についてきてと、促した。
そして、ある扉の部屋にはいると宝箱があり、彼女は、鍵を入れて開けた。
マリー
マリー
指輪だわ
剛
・・・・
マリー
マリー
2つずつあるわね・・・
剛
なんで2つずつなんやろ?
マリー
マリー
まさか、光の国に狙われているのは・・・・
剛
この、指輪なんか?
マリー
マリー
この指輪を封印すれば、戦争がなくなるはずだと・・・
剛
マリー、両親から、なんか聞いてないんか?
マリー
マリー
リリーなら、なにか聞いているかもしれないわ。
この指輪の本当の意味を・・・
そういえば、剛さんのはめてるシルバーリングと似てますね。
それを見たときにドキドキしちゃいました
剛
あぁ、そういえば、言うてなかったな。
これはな、光一と二人で買うたんや。
あっ、決して怪しい仲やないで?
マリー
マリー
クスクス
剛
あっ!そうや!その笑顔や!
マリー
マリー
えっ?
剛
買うのを勧めてくれた店員さんに、いまのマリーが、似てた
マリー
マリー
・・・・光一さん・・・でしたか?
わたし、その人に会ったかもしれません
剛
えっ?
マリー
マリー
この写真を、落としていきました
剛
えっ?写真?なんで持ってるんや・・・・
そこは、携帯やないんや。
マリー
マリー
話そうと思っていましたが、バタバタしていて・・・・
剛
で、光一は?なんか、いうてたか?
マリー
マリー
これは、わたしの予想ですが、光の国にいると思います
剛
えっ?光の国?
マリー
マリー
額に呪いのエンブレムを、つけられていたの。
光の国は、月の国がいま、戦争を、している国・・・
剛
呪いのエンブレム?
なんやそれ
めっちゃ怖い名前やな
マリー
マリー
呪いのエンブレム・・・・
早く彼を戻してあげないと、光の国にマインドコントロールされてしまうわ
剛
それは、あかん、なんとかしやな。
でも・・・どうすれば・・・・
マリー
マリー
剛さん、リリーと、仲直りして?
剛
えっ?
指輪を渡された。
これを、リリーに、渡せというんや。
剛
ゆ、指輪渡すなんて、プロポーズするみたいやんか!
お、男が女に指輪をわたすやなんて・・・
マリー
マリー
そろそろ、帰りましょうか?
剛
もしもし?聞いてる?
男が、女に、指輪を渡すと言うことはー・・・
ほんまにわかってるんかな
マリー
マリー
わかってるわよ?
すごく大切なことだって。
剛
なんか、疲れたわ。
寒くなってきたし、帰ろか、マリー
マリー
マリー
えぇ
ふふっ、照れてるわ、剛さん。

キラリ
指輪が反応し、光一を、映し出した気がした。
剛
光一
剛
光一、必ず助けるからな
マリー
マリー
剛さん?
剛
やっぱり、この指輪はただの指輪じゃないわ
マリー
マリー
えぇ、そうね
剛
リリーのやつ、ちゃんと、帰ったかな・・・
マリー
マリー
剛さん、リリーと、ローリーの話し、聞いてくれてありがとうございます。
剛さんには、この指輪を、リリーに、渡してほしい。
きっと、リリーと仲直りする、いいきっかけになると思うわ
剛
・・・また、雨が降ってきた!はよ、帰ろう!(まぁ、俺が病気にでもなれば心配してくれるんやろうけど、そんな簡単には・・・)
ズルっ
剛
うわっ!
バシャ~ン

なぜか、水溜まりにはまる俺・・・
な、なんで、こんなところに水溜まりがあるねん!!
俺、こんなドジなんか?
マリー
マリー
大丈夫ですか?剛さん
剛
だ、大丈夫やない・・全身びしょびしょや・・・
マリー
マリー
大変!早く乾かさなきゃ・・・
夜は冷えるから・・・

あれから、リリーと話さずに朝が来てしまう・・・・
剛
はぁー、さっばりしたわ。
ってか、えらいめにおうたわ
シャワーを、浴びたらスッキリした

くしゅん
なぜか、くしゃみが出た。
寒気がする・・・・

ヤバい


リリー
リリー
見かけによらず、ドジね
剛
リリー、帰ってたんか
リリー
リリー
帰っていたわよ?
剛
なんや、まだ、怒ってたんか
俺のくしゃみを、リリーに気づかれてしまった?
リリー
リリー
やっぱり、マリーが好きなのね。
二人で仲良く帰ってきて
剛
だから~!なんで、そうなるねん!
リリー
リリー
どうして、わたしとちがうの?
剛
えっ?何がや
リリー
リリー
どうして?
リリーは、そのまま行ってしもた
中途半端やろ!
俺の話しも聞けや😒
そっちこそちゃうやん・・・
マークには、俺には見せやん顔してたくせに・・・

ローリーの弟だから?
それとも・・・・
俺は、悩んでいた。
どうやって指輪を渡そうか・・・
やっぱり、こううの、“プロポーズ”って、いうやんな?
そうや!深い意味はないんや!

俺は1人ガッツポーズを、した。
リリー
リリー
ねぇ?マリー
マリー
マリー
リリー、どうしたの?
リリー
リリー
パーティー、台無しにしてごめんね
マリー
マリー
しょうがないわ。私も悪かったし
リリー
リリー
そういえば、わたしまだ、みてないわ。
お父さんと、お母さんの宝物
マリー
マリー
それは剛さんから、受け取ってね
リリー
リリー
えっ?剛から?どうしてよ
マリー
マリー
いい加減、仲良くしたら?
リリー
リリー
仲良くなんて・・・
マリー
マリー
わかっているんでしょ?剛さんが、私たちに協力的で、とても男らしくて、私たちをちゃんと、守ってくれる人だってこと
リリー
リリー
そんなのわからないわよ
マリー
マリー
きっとわかるわよ。剛さんと過ごしていれば
リリー
リリー
どうして話したのよ
マリー
マリー
リリー、ごめんなさい・・・わたし
リリー
リリー
どうして話したのよ!ローリーのこと・・・どうして・・・
話さないでって約束したのに!!
マリー
マリー
リリー、剛さんは信頼できる人だから・・・
リリー
リリー
もういい!寝る!
おやすみ!
俺は、知らんかった。
リリーと、マリーもケンカしてしまっていたなんて
あれから、リリーと、話さないまま朝がきてしもた
剛
なんか、頭痛いかも・・・
俺、風邪引いてしもたんやろうか・・・
マリー
マリー
リリー、おはよう
リリー
リリー
マリー、おはよう・・・昨日はごめんね・・・
マリー
マリー
わたしこそ、ごめん
さすが双子。
すぐ、仲直りや
リリー
リリー
窓、開けてくるね
リリーが窓を開けて1人だった

そうや!指輪を、渡すんやった!
リリー
リリー
いい風だわ
剛
リリー、おはよう・・・
くしゅん
リリー
リリー
えっ?
しまった!
くしゃみ出てしもた!
リリー
リリー
・・・・・😒
剛
いい加減、機嫌治してくれや。
こっち、向けや。
昨日は、ローリーのことは、知らんくてマリーに聞いたから・・・
だから、ごめん!
リリー
リリー
別に謝られても困るけど・・・
剛
な、なんやて?
リリー
リリー
はやく、マリーのところ行けば?
剛
いい加減機嫌なおしてや。謝る気でおったのに、なんやアホらしいやん
リリー
リリー
な、なに?ケンカ売りたいの?
剛
そうやなくて、俺は・・・
リリー
リリー
何よ、はっきり言いなさいよ
剛
ケンカしたいわけやないんや
リリー
リリー
わたしだってしたくないわよ
剛
だったら、話ははやいわ。前から言いたかったんやけど、人の目見て、話したらどうや?
剛
そんなに怒ってばっかりで、疲れやんか?
リリー
リリー
べつに!笑うこと何てないもの
剛
なぁ、リリー
リリーの隣に並び、
剛
笑うとかわいいと思う
不意に漏らした言葉に赤くなるリリー
剛
い、いっとくけど、これは、台詞じゃないで?嘘でもないでな?
リリー
リリー
・・・・
リリー
リリー
そんな真面目な顔して言わないでよ
剛
真面目な話をして悪・・・
くしゅん
俺も言っていて恥ずかしくなってきた。
リリー
リリー
剛?
剛
・・・そ、その辺散歩しやん?ほら、天気もええしさ・・・
リリー
リリー
顔色悪いわよ?寝てた方がいいんじゃないの?
熱あるんじゃないの?
リリーは俺の手を掴むと部屋に無理矢理入れて無理矢理寝かせる。
剛
だ、大丈夫や
マリー
マリー
二人ともー?朝食の時間よ
リリー
リリー
ダメよ、部屋に入って
剛
リリー、これくらい、大丈夫やって・・・くしゅん・・・
剛
環境が、変わったせいやな・・・・
それとも、雨が多いせい?
マリー
マリー
大丈夫ですか?剛さん。薬、ありますよ?
マリー
マリー
今日1日休んでください。仕事は、わたしたちが、やりますから
剛
大丈夫やって。俺、そんなヤワやないで?
薬はもろとくけど・・・
リリー
リリー
よそ者は、慣れてないから病気にだってなりやすいのよ
心なしか怒ってるリリー
マリー
マリー
リリー、じゃあ
せめて街の・・・
剛
あんな、地球では「病は気から」って言うねん。大丈夫やって、言うとるやろ?今ならなんぼでも治るわ
リリー
リリー
あなたの国ではそうかもしれないけど!あなたはこの国の者じゃないのよ?こんなときぐらい、言うこと聞きなさいよ!
剛
もっと優しくいえへんかなぁ~。マリーみたいにさ・・・
だいたいなぁ・・
リリー
リリー
・・・・・
リリーの目から涙が流れる。
また泣かせてしもたんか?
リリー
リリー
な、なによ、どうせわたしは、マリーみたいに優しくないわよ!
剛
リリー、すまん・・・
リリー
リリー
なによ!わたしだって、心配してるのに!!ひどい!
バカ!
リリーは、飛び出して行ってしもた
剛
リリー・・・・
追いかけようとしたが、少しふらつくようになってしもた・・・
マリー
マリー
剛さん・・・とにかく横になって?熱あるんですから・・・
剛
マリー、大丈夫や。俺、リリーに、謝ってくる。
剛
俺、また、あいつ怒らせたんやな・・・・
マリー
マリー
剛さん・・・
ちょっと熱っぽくなってきたけどかまわん。
まだ、やらなあかんことがある。
剛
指輪を、渡そうとしただけやのに・・・
リリーが、行く場所は、だいたい検討つくから・・・
マリー
マリー
リリーは、きっと、ほっておけなかったのよ。剛さんが、ローリーと、同じ病気にかかってしまうんじゃないかって
剛
リリーの心、わかってへんのは、俺の方や
マリー、俺直接あいつに謝ってくる
マリー
マリー
えっ?でも・・・
剛
大丈夫。俺は、死なへん。
実は、まだ、指輪を、渡せてなくて・・・
頼まれたことは最後までやらんとな?
マリー
マリー
もしかしたら、ここにその理由が、あるのかもしれないわ
あのときと同じね・・・
ローリーと、同じね・・・

(回想)
(マリー)私たちには治癒の力があります。少しでも治しましょう
(ローリー)大丈夫だよ
そう言って、ローリーは、私たちの治癒の力を頼ろうとはしなかった。

お父様と、お母様が残した指輪・・・
光の国が、月の国を狙う理由・・・
それは、なんなのかしら。
私たちが幸せになる方法を、教えて?
そして、マリーは、先ほどの宝に入っていた1枚の封筒を手にして・・・・
この国と、光の国に呼び出された剛さんと光一さんの二人・・・
彼らがはめてるシルバーリング・・・
いま、1つに繋がろうとしている・・・

そして、悪のちからがこの月の国にも近づいてる?

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