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第7話

▼輝き▼
31
2022/11/28 10:45
雅 圭太
雅 圭太
俺は……生徒会長になりたい!
雅 和歌
雅 和歌
……生徒会長?
突然大声を出して高らかに宣言をしたお兄ちゃんに私は少したじろいでいた。
雅 圭太
雅 圭太
そう、生徒会長。
雅 和歌
雅 和歌
でも、どうして急に生徒会長になりたいなんて思ったの?
雅 圭太
雅 圭太
今朝会った、伊月先輩って覚えてる?
雅 和歌
雅 和歌
覚えてるよ、先輩本当にカッコ良かった……
雅 和歌
雅 和歌
あ、お兄ちゃんは別ね
雅 圭太
雅 圭太
一言余計だっつーの
雅 圭太
雅 圭太
それでさ、俺ビビってきた
雅 和歌
雅 和歌
ビビ?
雅 圭太
雅 圭太
そう、俺のこの学園での目標……それは!
雅 圭太
雅 圭太
伊月先輩みたいな、すげーカッコいい生徒会長になって、みんなに慕われるような存在になること!
そう自信満々に言い切ったお兄ちゃんの笑顔は、少しいつもと違う感じがした。
お兄ちゃんはいつもあれになりたい、こんなことをしたいと言っているが飽き性の為、どれも長続きしたことは無かった。
でも、今回の『生徒会長になる』という野望を宣言したお兄ちゃんは、何かの殻を破ったように輝いて見える。
雅 和歌
雅 和歌
……ふふっ、頑張れば?
雅 圭太
雅 圭太
なんだよ、もうちょっと応援してくれてもいいじゃん!
雅 和歌
雅 和歌
さーて、私は早く帰って早速勉強始めないとな〜
雅 圭太
雅 圭太
あ、おい待てよー!!
普段はおちゃらけてばかりでいつも周りを振り回しているお兄ちゃん。
それでも、さっきのお兄ちゃんの様子を見る限り少なからず成長が見えた。
そんな兄の微かな成長さえも嬉しく思えてしまう私も、まだまだ兄バカなのかもしれない。

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