私達は新幹線の改札口前まで来た
あ、もう帰っちゃうんだ…
次会えるのはいつだろな…
もっと一緒に居たかった…
私は無意識に征の腕を掴んでいた
気を遣ってくれたのレオは私と征の二人きりにさせてくれた
ヤバい…この手を離したくない。
離れたくないよ
あーヤバい
また泣きそうだよ…
ほんとになんでいつもこーなんだろ…
だんだん自分が嫌になってきた
すると征が手を絡めてきた
いわゆる恋人繋ぎ。
私は征に耳を傾けた
征がさっきより強く私の手を握ってきた
私に頭を撫でながら征はこう言った。
征は私の額にキスをして新幹線の改札口を通っていった
私は額を手で抑えながら暫くの間放心状態になっていた
だって…こんなに人がいるのにキスなんてされるなんて思ってもいなかったから…
ヤバい…
征が好きだ
私は自分の頬を叩いて夏まで受験勉強を一生懸命やろうと決めた
黒子あなた
受験生にとって夏といえば勉強漬けの毎日で遊ぶ暇なんてない。それに部活もある
でも私は夏がとっても楽しみになった
もちろんちゃんと勉強、部活、遊びの両立はする
私は1人でそう呟いた
周りから変な目で見られていたなんて知らずに…(笑)
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そして月日が経ち今日は終業式。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。