第11話

溢れてしまいそうだ
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2018/07/12 13:08
二宮side

お前が俺を忘れてしまったあの日から

その態度が、言葉が辛くて

冷たい態度をとってしまっていた

けど…

「じゃあ、あたし行ってきちゃうよ」

その気遣いも

「大丈夫!あたし、力はある方だから!」

その無茶をするところも

「迷惑かけてごめんね」

その素直さも

「ありがとう(ニコッ」

その笑顔も

記憶を失う前と何も変わっていなかった

お前の幸せを願って

諦めようと思って

いっそ嫌ってくれればと突き放そうとしたのに

やっぱり、ほっておけなくて

手を出してしまった

ああ、駄目だな

ニ「……そうだ(ボソッ」

あなた「え?」

ニ「何でもない」

抑えこんでた気持ちが溢れてしまいそうだ

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