あなたside
あたしは亮と話しながらそっと二宮くんの方を見た
二宮和也くん
彼のことはよく分からない
担任の翔ちゃんは幼馴染と言ったけど
深く関わった覚えがないし
二宮くんもクラスメイト以上の関わりはないと言ってる
けど、彼はあたしが目を覚ましたことを
誰よりも喜んでいた
ただのクラスメイトにあそこまで感情移入するだろうか?
でも、いざ退院してみるとさっきみたいに素っ気ない態度をとられる
どっちが本当の二宮くんなんだろう?
分からない
けど、何故か彼の事が気になる
錦「あなた?」
あなた「ハッ!あ、ごめん」
錦「別にいいけど体調悪いんか?」
あなた「ううん!何でもないよ。行こ!」
あたしは亮と一緒に学校へ向かった
キーンコーン カーンコーン
櫻「じゃあ、今日の授業はここまで。次の授業までの課題忘れるなよ?」
翔ちゃんの言葉にクラスの皆が顔をしかめる
あたしもそのうちの1人だけど
櫻「今日の日直は…あなたとニノか?」
あなた「あ、はい!」
櫻「今日のホームルームで配る資料が職員室にあるんだ。後で日誌のついでに持っていってくれないか?」
あなた「はーい」
翔ちゃんが教室を出ると…
二「めんどくさいな~」
二宮くんがボソリと呟いた
あなた「じゃあ、あたし行ってきちゃうよ。日誌書くから黒板消し頼んでいい?」
二「いや、けど…」
あなた「大丈夫!あたし力はある方だから!」
そう言い残して職員室に向かった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!