第3話

慣れたくない日常
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2018/05/15 16:07
二宮side

スッ スッ

イヤホンを耳につけ

インストールしたばかりのゲームをやりながら

俺は学校に向かっていた

だが、所詮は暇潰しで適当に選んだゲーム

手応えはほとんどなかった

トントン

不意に誰かに肩を叩かれた

見なくても相手が誰かは分かる

けど、振り返らないわけにはいかなかった

クルッ

あなた「おはよう、二宮くん」

二「……おう」

目線の先にいたのは幼馴染の西野あなた

あなた「イヤホンつけながら歩くと危ないよ?」

お前に声をかけられたくないからつけてたんだよ

……なんて言えるはずもなく

二「はいはい」

俺は素直にイヤホンをとった

二「で?何か用?」

あなた「え?いや、特にあるってわけでもないけど……」

?「あなたー!」

声のした方を見ると1人の男が駆け寄ってきた

あなた「おはよう、亮」

錦「おう!二ノもおはよう」

二「ああ」

こいつは錦戸亮

同じ高2であなたの彼氏だ

二「じゃあ、俺行くわ。あとは2人でごゆっくり」

そう言って俺は2人から離れた

しばらくしてそっと振り返ると2人は楽しげに話をしていた

二「………」

慣れたくなくても慣れてしまうのが人間

だが、その光景が俺にとって複雑なものであることに変わりはなかった

すべての始まりはそう

半年前のあの日からだった



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