黒須くんは、3日くらいお休みをして、
翌週学校に来た
よ、もう大丈夫なのか?
おう
コウ!元気になってよかった
時任さんは、黒須くんが教室に入ってきた瞬間席から立ち上がり彼の元へ駆け出した
沙和…お見舞いありがとな
ううん、私の特製プロテインプリン、プロテインゼリー、プロテインアイス、プロテイン野菜スープは、ちゃんと食べた?
…あぁ
(そんなのあったかな…)
あ、それ俺食べた
はあ!?あんたね!
私がコウのために作ったのよ!
吐きなさい!今すぐ!
えぇぇ…ごめん、無理!
黒須くんは、時任さんと倉持くんのやり取りを引き気味で見守っていたが、
ふと、こちらの視線に気づいたのか
私と目が合った
(おはよ)
彼は、口パクで言うと笑顔を見せてくれた
あれ、なになに??
もしかして、黒須といいことあった?
友美は、勘が鋭い……
野生の勘というやつだろうか
な、なにも!
んー、怪しい!
あはは
ちょっと、黒須!
友美は、黒須くんに大きな声で呼びかけると、
少し離れた席の黒須くんの元に行ってしまった
まぁ…いっか…
私も少し、黒須くんの反応が見てみたいから
な、なんだよ
あなたと何かあったの?
なッ!
遠くて見えづらいが、
黒須くんの頬が
赤く染まったような気がする
わっかりやす!!!
何もねぇよ
え!なに?
こいつ、あなたちゃんに
告ったんだよな!
はぁああああああ!?
ち、ちげえよ
何もねぇって
あんた、うちのあなた泣かせたら
許さないからね!
は…
ま、この件は俺らの中だけでよろしくな
おっけー!
また、あなたが変な奴に
逆恨みされると危ないし
コウも認めてないみたいだし、
私は許してないけど
内緒にしといてあげるわ
ッ…
私にはみんなが何を話しているのか聞こえなかった
***
その日の放課後、
私と黒須くんはいつものように一緒に帰った
一緒に帰るの…
久しぶりだね
そういえば、そうだな
朝、みんなと何話してたの?
ん?内緒…
えー
彼は、幼いいじめっ子のような表情で笑った
***
その日の夜
一度も来たことがなかった
黒須くんから一言だけIimeが届いた
----------------------------
笑った顔
----------------------------
ん?
笑った…顔?
あ…
覚えててくれたんだ…
私は、また彼の一言で
機嫌が良くなった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。