「ごめん!!」
月「…」
「ごめんってば!」
月「…」
教室から飛び出し、蛍くんの元へ。
ヘッドフォンをいつものようにつけていつものように歩く蛍くん。
なんで無視するの。
なんて思ったけど、ヘッドフォンしてるから声なんて聞こえないし、
身長差だってあるから見えないだろうし??
…ばかだなあ、
「っ、蛍くん!」
視界に入るように蛍くんの前に立ちはだかると
なに…?
とめんどくさそうにヘッドフォンを外した。
…なんだ、無視してるわけじゃないんだ。
なんて、ちょっと安心した自分がいた。
せっかく蛍くんが気づいてくれたのに、
素直に言えない。
「なんで怒ってるの!」
…いやいや、ゆうとくんと話してたからじゃん
「ゆるして!」
…いきなりなに言ってんの
ほんと、自分に呆れる。
月「…なにがいいたいの?」
デスヨネ。
「だから、その、蛍くんと帰るって言ってたのに、ゆうとくんと話してたから、」
月「…うん、うざい」
「え」
なんですかそれは。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。