私達の目の前に現れた大きな棒グラフがあのときのように伸びていく。
そして、全員の棒グラフの伸びが止まったとき、その順位は想像以上の結果になっていた。
1位、忍者 フォロワー数 501.6万人
2位、ロボ フォロワー数 349.8万人
3位、神田蘭 フォロワー数 301.1万人
4位、真琴 フォロワー数 218.4万人
5位、澪 フォロワー数 195.0万人
6位、seri フォロワー数 116.7万人
7位、りんりん フォロワー数 97.2万人
8位、冬稀 フォロワー数 95.2万人
9位、使者 フォロワー数 51.2万人
10位、まーや フォロワー数 40.0万人
鈴架ちゃんの呟きに全く同情がこもっていない返事をすると、麻弥ちゃんに手を向けた。
麻弥ちゃんは諦めたように笑みを浮かべると、鈴架ちゃんに向かってニッといつも見せていた笑い帽子と金属バットを投げる。
その瞬間…麻弥ちゃんの体は何かに撃たれたように蜂の巣になってその場に崩れ落ちた……。
鈴架ちゃんは麻弥ちゃんが最期に投げた金属バットと帽子を持ってその場に座り込む。
私はただただ呆然としてフォロワーランキングを見つめていた。
私のランキングは上がってはいる…でも……
そう話を切ったのは鈴架ちゃん。
その目は暗く、麻弥ちゃんが残した帽子を被って金属バットを手にした状態でナツキに言う。
そうナツキが胸を張る。
ナツキの合図で私達はスマホを取り出す。
すると、既にこれを見ているフォロワーは絶対に誰か1人が死ぬと言うことで騒いでいた。
私への詳しいナツキの情報提供を望んでいる。
「seriさん!映像だとナツキさんが動いて見にくいので正面からの写真を求みます!」
「出来る限りのヒントを提供願う。」
ナツキがピースをして、私のカメラの方を向く。
私は正面から見えるようにシャッターを切ると、呟きと共にネットに上げた。
悩んだ末に出した、ナツキの2つのヒント。
両方ロボに当てはまりそうな内容。
でも、本人には全く関係ないんだろうなぁ…
今までずっといてよくよく考えたら正体が謎であるナツキの想定外の正体探しに私達もフォロワーも想像以上に苦戦していた…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。