一人暮らしは大変だァ。
片付けの合間に書いてるので誤字とか多いかもですがなるべく投稿できるように頑張りますので!!!
それじゃ本編へどうぞ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ザァァァァァ…
土砂降りの雨
夜遅くまで降り続けた。
その土砂降りの中、真っ暗な空に背を向けて地に伏している者がいた。
ゆっくりと起き上がり、こちらを振り返るあいつ。
俺はいつも、あいつの顔を見れずに目が覚める。
そして今日も、顔を見れずに起きてしまった。
───────────────────
俺は結雨。魔王を15体倒した最強勇者として世界に知られている。
今はとある村の宿で休んでいるところだ。
村長は俺に前金を手渡し、宿部屋から出ていった。
夕暮れ時、俺は森に向かった。
村長は怯えながらも見送ってくれた。
何としても退治しなければ。
一見無害に見えるであろうこの人兎。
宮古 雨兎(みやこ うと)様。
俺の手伝いをしてくれている。
ここ最近土砂降りが続いた為、地面はぬかるんでいた。
植物も枯れている。
ぽつ、ぽつと…雨の雫が土に落ち、染み込んでいった。
雨か、…こりゃ土砂降りになりそうだな。
チリン…
と雨の音にも負けない鈴の音が聞こえた。
鈴の音がした方を見ると、ひとつの人影があった。
と、楽しそうに胸の高鳴りを行動に出す宮兎様。
俺は宮兎様の前に出て、攻撃しようとするのを止めた。
少しずつフラフラと近づいてくる人影に、俺は殺意を向けてみた。
化け狐は雨風と共に消え去ってしまった。
一体なんだったのだろうか。
宮兎様は疲れたと言って兎の姿に戻ってしまわれた。
俺は夜になると人狼となるが、宮兎様のように、自由自在に人間の姿になれる。
宮兎様の修行のおかげだ。
村の入口付近にある1番近い森から見えた村は、焼け野原となっていた。
村人達の叫び声
木や草木が焼ける音
金属と金属がぶつかり合う音
その全ての音が俺の耳に入り込んでは来なかった。
ただ焼け野原となった村を眺め、立ち尽くしているだけ。
何も出来ない。
人喰い狼は、宮兎様の方を見たと思ったら、急に襲いだした。
狼にとって兎は獲物なのだ
俺が宮兎様の前に出ると、俺の目の前にも、1人人が割って入った。
急に現れた彼女は、人喰い狼に恐れもせず、立ち向かった。
そして、彼女と狼が睨み合い続け、数分が経過した。
途端に狼は頭を抱えだし、唸っていた。
さっきまで自我のなかった人喰い狼は、血に飢えた目が人間の目に戻り、自我を取り戻した。
さっきの化け狐は、1匹の小さな狼を口にくわえた状態で、ボロボロの姿だった。
あなた side
確か、…グルッペンだったかな。
アンタの城、少し借りるよ
パンッ!
と手を叩くと、あの場所にいた全員が、真っ白な外壁に囲まれた城の前まで来ていた。
いわゆる瞬間移動みたいなものだ。
グルッペンの隣に並ぶ赤いマフラーのトン氏という彼。
彼の背中には、月に照らされて白銀に輝く羽が生えていた。
なぜか見覚えのあるその羽は、風に揺られながら光り輝いていた。
いや、今はどうでもいい。
早く手当をしなければ。
私は神花を連れて城の中に入っていった。
神花の手を引き、医務室に向かいながら聞いてみる。
気品に溢れた色白の肌を、少し赤くさせ照れたその顔は、とても綺麗だった。
そのとき、私の中で何かがドクンと脈打った。
ドクンっていったなら心臓だな((
とりあえず誤魔化した。
自分に対して誤魔化したのか、神花に対して誤魔化したのかは、分からない。
きっと、一生分からないだろう。
腕に優しく触れた瞬間、彼女がとても冷たいことに気づいた。
あやかしである彼女には当然なのだろうか、雨に濡れたからだろうか?
しかし、冷たいと共に彼女の傷は予想以上に酷いものだった。
深い引っかき傷に、痣、火傷など。
神花の腕の傷に、そっと手をおくと、水で傷を覆った。
水は流れることなく1つの塊となって神花の傷を包み込んでいる。
しばらくして水を消すと傷は無くなっていた。
しかし骨折や痣はどうにもならないため、包帯やガーゼで手当する。
手当が終わると、神花は私にありがとうと行って、ゾムのところへと走っていった。
どこから見ていたのか、そう呟きながら柱の裏から出てくる、カラスのように黒い羽を生やした男、グルッペン・フューラー。
彼はこの国を治める総統だろう。
確かに、私の創り出す水はなんでも出来る。
回復、飲料水、攻撃なども容易い。
しかしデメリットは必ずある。
誰しもが完璧な訳ではないのだ。
彼はどうせ私を仲間にしたかったのだろう。
しかし、彼らは私を完璧だと言う。
私は完璧だと言われるのは嫌いだ。
はたから見れば完璧なのかもしれないが、自分自身のことは、自身がよく分かっていないものだ。
続く
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。