第9話

9.
28
2021/06/04 10:00
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晴歌side



星を見ると、思い出してしまう。

それは、何年経っても変わることはなかった。


___いつの間にか、私は社会人になっていた。

大学を卒業し、教師という職に就いてから早くも1年が経った。

大学進学をきっかけに家を出てから数年。
私は、また、自身の実家のある街へ戻って来ていた。

七瀬  晴歌
七瀬 晴歌
お母さん、久しぶり。

「ああ、晴歌。おかえりなさい。
久しぶりね、元気にしてた?」
七瀬  晴歌
七瀬 晴歌
元気だったよ。
しばらくよろしくね。

「今日は、帰るの?」
七瀬  晴歌
七瀬 晴歌
うーん、泊まって行こうかな。


その日は、数年に1度の流星群が降る日で、テレビではその話題でもちきりだった。

奏多と初めて会ったあの日から数年越しの流星群の日。

もう一度、行ってみようか。


あの場所へ。


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奏多side


雨の降る街並みを窓越しに見ると思い出してしまう。

それは、何年経とうが変わることはなかった。

___親の決めたレールの上をひたすら追うこと、数年。

気が付けば僕は就きたくもない職に就き、実家の近くに帰って来ていた。

星宮  奏多
星宮 奏多
ただいま。
母さん、久しぶり

「ああ、帰ってきたのね。
おかえりなさい。」


母親と話していると、リビングからテレビの音が聞こえてきた。

今夜は、数年に1度の流星群の日らしい。

偶然か必然か、晴歌と初めて会ったあの日以来の流星群だった。

最後に1度だけ、行ってみようか。


あの場所へ。

最後の、清算をする為に。




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晴歌side


夜が、来た。

窓の外を見ると、目で追えないほどの星々が空を泳いでいた。

涙が、目の端に滲む。
七瀬  晴歌
七瀬 晴歌
あれ、おかしいな…
悲しくもないのに。

あぁ。

唐突に私は理解した。


私は、もうずっと、




奏多に恋をしていたんだ___。


忘れられない。
忘れられる訳が無い。

だって、私と彼は……

出会う運命だったから。








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奏多side

夜が、来た。


星が次々と降ってくる。
それはまるで、いつかの流星群の日に降った雨のようで、僕は言葉が出なかった。

何故なんだろう。
ここ数年のことを思い出そうとしても何も思い出せないのに、晴歌と出会ったあの日の事は今でも鮮明に思い出すことができる。

まるで、映画のフィルムを見ているかのように。


涙が、後から後から流れ出す。


あぁ。

唐突に僕は理解した。
僕は、もうずっと、


晴歌に恋をしていたんだ___。

何年経とうが忘れられない。
忘れられる訳が無い。


だって僕と彼女は

出会う運命だったのだから。










もうすぐクライマックス?


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