今日の体育は私だけ教室待機だし。
室内の体育しかやらせてもらえないってどういうこと?
先生達も罪悪感感じているのか、体育はいつも5だし。
あの場所に。
会った時と同じ時間、夜に行ってみよう。
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そうして迎えた深夜。
親にバレないよう靴を履いた私は、傘を持って外に出た。
案の定雨が降ってくる。
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あの場所へ。
思い立ち僕は母の寝静まった深夜に家を抜け出した。
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せっかく来たのだから少し待ってみようと雨空を見上げていた時、一筋の光が空に降った。
あの子だ。私はそう確信していた。
振り向いた彼は私を見て驚いた顔をした。
声をかけられることを前提にしていなかったような顔。
きっと奏多は、神様からの贈り物。
そんな奏多が心に深い傷を負っていることなんて、その時の私は微塵も感じていなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。