もうかなり歩いている気がする
なのに、一向に光の元へ近づいている気がしない
歩いているのに何故か距離が縮まっていない感じがしてならない
でも、もっとおかしいのは私自身が疲労を感じていないということだ
そう言葉にしたとき、何故だか頭が澄み渡り、少しリラックスしてからあの『石』のことを思い浮かべる
─── 考えてみればあの『石』の出来事以降に不思議な事が起こっているのだ
そう考え、ふと目を瞑り深呼吸をする
そしてゆっくりと目を開いた
さっきまでこの空間に私しかいなかったはずなのにいつの間にか人がいて驚いた
── 挨拶は礼儀だ
どんなに取り乱していても挨拶は一般的なことだと両親から教わっていたので体に染み付いている
、、、そういえば、さっきの光が消えている
どうやら私の目指していた場所に着いたようだと悟る
「名前が無い」ということに少し衝撃を受けたが、何食わぬ顔で受け流す
聞いてはいけない気がした
すると、突然世界の持ち主が口を開いた













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。