第10話

story.10
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2019/02/05 00:33
どんなのがいいだろ…



気分を紛らわすために、
浴衣を探していた。






あ、これ可愛い…







……て高っ!!



可愛いと思うものが意外に高かった。


浴衣って高いなー…

トミー
トミー
なに?それ欲しいの?

いつの間にかあたしの後ろにいた。

あなた

え!?いつの間に!?

トミー
トミー
ノックしたのに返事ないから勝手に入った。にししっ

あ、この笑顔久しぶりに見た…



久しぶりの空間で、
少し泣きそうになった。

トミー
トミー
あなたの浴衣可愛んだろーなぁ

そう言ってあたしの頭を撫でた。

あなた

み、美鈴ちゃん来ちゃうよ……


嬉しくて、泣きそうで、

必死で我慢する。

トミー
トミー
大丈夫、あいつは今風呂入ってっから。30分は戻ってこねーよ。

あたしの耳元で囁く。



泣きそうだったのが止まり、
今度は久しぶりに鼓動が早くなる。

トミー
トミー
耳まで真っ赤なんだけど

かぷっ


真っ赤に染った耳を噛まれる。

あなた

んっ…

トミー
トミー
……っ、まじその反応、反則…

そう言って強引にあたしの唇を奪った。


いつもはあまりしない、
乱暴に舌を絡めてくる。

あなた

トっ…ミー……息…できなっ……んんっ…

トミー
トミー
っんだよ、ちょっと黙ってろよ

口調は乱暴だけど、
優しい声で、

また乱暴にキスをする。






腰…抜けそう……


トミー
トミー
…っやべ。止まんなくなるからもう辞めるわ。

そう言ったトミーの顔は赤くなってた。

あなた

止め…ないで欲しかった……

トミー
トミー
っ!

ぎゅっ



不意に抱きしめられる。

トミー
トミー
可愛いことゆーなよ。殺す気?
あなた

なっ!そんなことっ!

トミー
トミー
…めいっぱい出来るまで、この先はお預けだな。にししっ

またあたしの好きな笑顔だ。





なんか、さっきまで限界だったのに、

すっごく満たされた。

トミー
トミー
そろそろ来そうだから…じゃあ、また明日な。

そう言ってトミーは部屋を出た。









こうやってあたしが限界の時に、
タイミング良く構いに来てくれる。



トミーは?


平気なのかな…





なんて余計なことを考えていた。


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